3月の豚肉需給展望 月間平均で税抜き530~540円、税込570~580円前後か
2015年2月の東京食肉市場の上物平均価格(税抜)は579円(税込では625円)、前月比95円安(税込では102円安)となった。
季節的に1月に比べ2月は上昇する傾向にあるが、今回は米国西海岸での港湾労使問題により輸入チルドポークの供給が不安定になり、国産への引き合いが強まったことで予想を上回る上昇となった。2月10日は翌日の休日(建国記念日)を前に買いが殺到し、710円(税込では767円)という年末豚価に匹敵する高値を付けた。しかし、翌週の16日には543円と1週間もたたずに207円下げるという極端な変動となった。その後も、量販店の2月決算から買いが控えられ下げると見られたが、輸入チルドがほとんど玉なし状態となったことから550~560円を維持した。
3月も上げ要因が目立つが、その一方で消費離れも深刻で、前述のように量販店では国産、輸入チルドを含め特売がほとんど見られない。その中で、輸入フローズンの解凍品の販売も目立ってきている。年間の生産計画・販売計画を策定する中で、極端な高値を嫌い、扱い量を減らすなどの動きも想定される。さらに3月初め(カナダで5日通関、米国産で9~10日通関予定)には輸入チルドのまとまった入船も予定されることで、前半から中盤は、現状の相場を維持、後半は上昇するにしても極端な高値は避けられるとの見方が多い。4日現在の東京市場は533円を付けており、上旬はこの水準で推移、中旬は中だるみで、520~530円、下旬は4月に向かって若干上昇し540~550円、月間平均では530~540円(税込570~580円)と見込まれる。