酪肉近基本方針、養豚農業振興の基本方針本文案を議論-自民党・畜酪小委 、「適度な脂肪交雑の推進」の前に「霜降り牛肉に加え」など意見踏まえ修正-農水省
自民党は20日、党内で畜産・酪農対策小委員会(坂本哲志委員長)を開き、農水省から「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」、「養豚農業の振興に関する基本方針」の本文案について報告を受けた。骨子案の時点では記入されていなかった生産目標等の数値も、食料・農業・農村基本計画と整合性をとり、記述されている。今後の修正については、委員長に一任された。議員らからは、飼料高などの情勢への対応について懸念の声が上がった。完成したそれぞれの基本方針は、食料・農業・農村基本計画とタイミングを合わせて発表される。
前回の小委員会で指摘された点の修正について農水省の松島浩道生産局長が説明した。「赤身肉(文中では適度な脂肪交雑の肉)だけではなく、和牛では霜降りも重要」との指摘には、骨子案では消費者ニーズに的確に対応した生産の対応・取組の記述の中で、「適度な脂肪交雑の牛肉等の生産を推進」とあったところを、「霜降り牛肉に加えて、適度な脂肪交雑の牛肉等の生産を推進」と変更するなど、それぞれの指摘に応じて修正を行っている。
養豚農業の振興に関する基本方針は、原田英男畜産部長が説明、課題として①生産コストの削減と付加価値向上、②国内由来飼料の利用の増進、③畜産環境問題への対応–の3点の課題を説明した。これら課題へ対応する政策の方向として、畜産クラスターを使っての経営拡大や、エコフィードや飼料用米を利用した、国産由来飼料利用の増進、飼養衛生管理の高度化による疾病の予防、養豚で問題となりやすい環境問題では悪臭、汚水への対策を行うことを説明した。
参加した議員からは、「飼料高騰の中、輸入飼料依存からの脱却とあるが、自給飼料への移行期間に特段の配慮をしてほしい。“飼料高騰の影響を注視して適切な対応を図る”などの記述が必要だ」との意見が上がった。