5月の豚肉需給展望 月間平均で税抜き520~530円、税込560~570円前後か
[価格見通しなど]2015年4月の東京食肉市場の上物平均価格(税抜)は542円(税込では585円)、前月比11円高(税込では12円高)となった。
例年、4月の豚価は連休に向けて上昇するが、今回は末端の販売量が縮小していること、その一方で輸入チルドの供給が予想以上に供給が多かったことで、比較的小幅な上昇にとどまった。2月には579円と急騰し、その後も高水準を保っていた豚価だが、ほぼ前年並みの水準に収まってきた。
4月の出荷頭数は、概算で5%減の132万頭前後、1日当たりでは6万3,000頭前後と見込まれる。出荷頭数が少ない中、輸入チルドは供給量が多かったものの、物流が正常化するまでは大手量販店では特売商材として使いづらかったことで、枝肉相場は550円前後を維持したが、連休直前は大手量販店での特売が輸入物にシフトしたこともあって下げに転じ4月30日は487円まで下げた。
2015年5月は、農水省食肉鶏卵課の肉豚出荷頭数によると、全国の出荷頭数は前年比2%減の128万6,000頭(過去5年平均比では4%減)を見込む。大型連休後は、特段、豚肉が売れるイベントもなく、消費疲れもあって需要は一定程度縮小すると見込まれる。末端では枝高を受けて小売価格も高値で推移しており、特売頻度も回復には程遠い状況だ。一方、輸入チルドは3月後半からの供給過多を受けて、4月中旬からは中小スーパーで再開、大型連休では大手量販店でも輸入物の特売が行われた。今後は、物流も正常化し安定的な供給が見込まれることで、輸入チルドの特売も定番化してくると見込まれる。
これらを勘案すれば、出荷は少なめだが、上げ要因は見つけづらく、相場は弱保合とみられる。そのため、一時的に500円を割る場面も想定され、月間平均では520~530円(税込560~570円)と見込まれる。