5月の鶏肉需給展望 モモ肉は日経平均620~630円、ムネ肉330円前後か

【価格動向など】2015年4月の鶏肉相場(農水省統計部、税抜価格)をみると、モモ肉は前月比3円安の650円、ムネ肉は2円安の336円となった。モモ肉は、上旬657円、中旬650円、下旬645円と徐々に下げた。ムネ肉は、上旬338円、中旬333円、下旬336円とわずかに上下した。

4月は、連休に向けて特に手当てが入る訳ではなく、逆に休み期間中は手当てが入らず需要が減少する形になった。さらに4月は輸入チルドポークの供給が回復、一方で鶏肉生産が順調でひっ迫感が薄れたこともモモ肉の低下につながった。しかし、ムネ肉の需要は旺盛で相場の高止まりが続く。

日経平均(税抜)でみると、モモ肉で前月比6円安の641円、ムネ肉は2円安の334円で、合計では8円安の975円と下げ転じた。

5月見通しでは、農畜産業振興機構の需給予測によると、同月の生産量は0.8%減の12万7,900tが見込まれる。また日本食肉輸出入協会によると、5月輸入量は2.4%減の3万8,700tと予測される。4月から九州での鳥インフルエンザの影響が解消され、九州、北日本とも生産は順調。また需要面では、輸入豚肉チルドの供給が回復し量販店での特売も再開したことで、一時期の鶏肉への需要集中からは脱した。そのためモモ肉の相場は弱いものの、冷凍在庫が少ない中で年末に向けた手当ても始まり、大きな下げは考えづらい。また、ムネ肉は継続して需要は底堅く、加工品では契約の関係もあって価格は高止まりする見込み。

これらの結果、5月の相場はモモ肉はわずかな下げにとどまり月間平均では630~640円(日経平均で620~630円前後)、ムネ肉は330円前後(同)と見込まれる。6月は、モモ肉は例年なら一段下げも、5月同様に年末に向けた冷凍在庫に回すことで下げは最小限にとどまり610~620円(同600~610円)、ムネ肉は5月並みの330円前後(同)が見込まれる。