JPPAが通常総会、差額関税制度の堅持・厳格運用で緊急決議
一般社団法人日本養豚協会(JPPA、志澤勝会長)は16日、東京・千代田区のホテルグランドパレスで15年度通常総会を開き、14年度事業報告・収支決算および15年度事業計画・収支予算案を原案通り承認した。また、役員の補欠選任が行われ、岐阜県の吉野毅氏(㈲ジーピーファーム代表取締役)が就任した。
15年3月末の会員数は1,827人。母豚換算で44万5,532頭となり、前年5月末から46人・3,141頭減少した。総会に先立ち、志澤会長は「昨年度を振り返ると、TPPに明け、TPPに暮れたた一年だった。米国内ではいまTPA法案が議論されているが、日本においてはTPPに関する国会決議が守られるものと思っている。そのなかで昨年6月に養豚農業振興法が成立し、今年3月には基本方針がまとめられた。ややもすると、この養豚農業振興法がTPPの代替として受け取られる方もいるが、それは全く異質なもので、我が養豚産業が将来にわたって生き残ることができることの願いが込められている。国際化のなかでTPPだけでなく、EUとのEPAの問題も控えており、そうした中で我々は様々な問題を共有しながら、自己研さんを重ねていく必要がある。現在、豚価は非常に良い状態で推移しているが、『山高ければ谷深し』といわれる。この豚価を背景に、養豚経営の再構築をきちんとしていくことが、10年、20年後の我が養豚産業に対する方向である」と述べた(=写真)。
15年度事業計画では、養豚農業振興法に基づく養豚農業の推進事業や、TPPなど国際問題への活動、特に差額関税制度の厳格な運用に関して農水省と財務省など関係機関と定期的な意見交換を行っていく。また豚・豚肉トレーサビリティの推進、「俺たちの豚肉を食ってくれ」イベントなど豚肉消費拡大に関する事業を展開する。種豚の登録事業では、種豚登録5,400頭、子豚登記1万3千頭を計画している。