7月の牛肉需給展望-和牛、交雑は後半強含み、和去A3は2,150円前後か

15年6月の東京食肉市場の規格別の価格(消費税8%込み)は、和去A5で前月比6円高の2,459円とわずかに上昇したが、A3で32円安の2,132円、交雑B2は71円安の1,528円と下げた。また乳去B2は3円安の1,115円となった。

5月の連休明け以降、和牛をはじめ国産牛肉の消費は鈍く、高値で張り付いていた和牛が下げ、6月は割安な国産牛肉として高値を維持していた交雑種も消費不振から下げに転じた。ただ、最も安価な乳去はわずかな下げにとどまった。

前月比では下げが目立った6月だが、前年比では、引き続き和牛のA4以下で400円台(消費税は同じ8%)、交雑去勢も400円台、乳去で200円台後半の上昇と高値を維持している(グラフ参照)。

7月の見通しでは、農畜産業振興機構の予測によると、成牛の出荷頭数は1.2%減の10万1,000頭、うち和牛は0.8%増の4万7,000頭が見込まれる。成牛の1日当たりの出荷頭数では1.5%減を見込む。

需要面では、6月~7月の不需要期の真っただ中で、特に今年は、例年に比べ雨天が多く売れ行きは良くない。7月20日の「海の日」の連休に向けて販促の動きもあるが、梅雨上げが遅れそうとの見通しもあり、今のところ大きな動きはない。旧盆への問合せも入るが、下旬以降の動きとみられ、大きな影響はないもようだ。このように、出荷は相変わらず少ないものの、大きな上げ要因は見当たらない。

これらを勘案すれば、出荷が少なくタイトだが、和牛、交雑、乳用種は弱保合も、後半に若干戻しほぼ6月水準を維持すると見込まれる。その結果、7月の相場は和去A5で2,450円前後、A3で2,150円前後、交雑去勢B2で1,500円前後、乳去B2は1,100円前後と見られる。