4Qの牛肉生産量は前年並みの予想、豚肉は6%増の65億ポンド-UsDA
米国農務省(UsDA)が16日に発表した食肉需給見通しによると、今年第3~4四半期の食肉生産量は牛肉・豚肉・鶏肉ともに前年同期を上回ると予想されている。特に第3四半期の豚肉と鶏肉生産量は前月予想から8,500万ポンド、1億ポンド上方修正されるなど、出荷頭数の回復や生体重量の増加で堅調な生産が見込まれている。また第4四半期の生産量は、牛肉が1億500万ポンド下方修正され、前年並みの水準にとどまりそう。鶏肉は1億ポンド上方修正され、豚肉と鶏肉はそれぞれ6%増、5%増となっている。
[牛肉]ロッキー山脈から西側のエリアを除いた大部分の地域で降雨に見舞われている。降雨による牧草条件の改善は、肥育素牛価格の下支えにつながる半面、肥育牛のと畜頭数が減少する。1頭当たりの枝肉重量は全畜種で増加しているものの、経産牛および未経産牛のと畜頭数も昨年を下回っており、これらを相殺する。このため、第4四半期の生産量が下方修正されたことで、15年の生産量は前年比1.8%減と落ち込むが、16年第1四半期は3.9%増、第2四半期は9.9%増加が見込まれている。
[豚肉]PEDv発症例の減少と、飼養頭数の回復、産子数の増加は、15年下半期の豚肉生産に大きく反映され、第3四半期で前年比10.4%増、第4四半期で同6.1%増、15年の年間では7.6%増の245.8億ポンドが見込まれる。また100ポンド当たりの生体価格(赤身率51~52%)も、第3四半期は53~55ドル、第4四半期は45~49ドルと、前年同期から30ドルおよび20ドル程度安値が見込まれる。一方、16年の豚肉生産は上半期はやや一服するものの、年間では247.1億ポンドに達する見込みだ。
[鶏肉]国内で高病原性鳥インフルエンザが発生しているものの、出荷羽数と重量の両面で増加しているため、鶏肉生産に影響はみられていない。15年第3および第4四半期もそれぞれ1億ポンドずつ上方修正された。ただ、輸出面には大きく影響しており、生産量も多いことから鶏肉製品の価格下げ圧力が強まっているようだ。