TPPハワイ閣僚会合を前に「畜産業を守る緊急畜産代表者集会」自民党で開催-畜産ネットワーク
日本の畜産ネットワーク(事務局・中央畜産会)は23日、自民党本部で「国際交渉から国内畜産業を守る緊急畜産代表者集会」を開催、28~31日の米国ハワイ州マウイ島での閣僚会合を前にTPP交渉での決議順守を求めて予定を大幅に上回る関係者約350人が集まった。集会では、「食の安全保障上畜産物を現在以上に輸入に依存するのは余りにリスクが大きい。畜産の衰退は地方の疲弊につながり、現在政府が推し進めようとしている地方創生にも逆行することになる」と問題点を指摘、政府・自民党に国会決議などを完全履行するよう求める決議を行った。自民党からは、衛藤征士郎外交・経済連携本部長、森山裕TPP対策委員長、宮腰光寛TPP対策委員長代理、TPP交渉国益を守り抜く会の江藤拓会長、坂本哲志畜酪小委員長、齋藤健農林部会長、小里泰弘衆院議員、亀岡偉民農林部会長代理らが集会に出席した。
日本養豚協会の志澤勝会長は「もしTPPに当たり5品目の国会決議、自民党公約が守られなければ地方の疲弊、畜産の崩壊が危ぶまれる」と危機感を強調した。全国肉牛事業協同組合の山氏徹理事長は、「ハワイでこれまでの活動が無駄になるのかならないのか決まるかもしれない。現在残った経営者はふるいにかけられ、それでもしがみついてきた経営者たちだ。これ以上1人でも脱落者を出すわけにはいかない」と主張した。菱沼毅畜産ネットワーク事務局長は「関係国から日本が参加を許されたのが2年前の7月23日だった。そこから2年間具体的な情報が無い。新聞報道では様々な情報が流れている。誤情報だとは思っているが、決議を是非守ってほしい」と語った。
自民党からは、TPP交渉国益を守り抜く会の江藤拓会長が「現在残っている方が営農を続けられないようなことがあってはならない。今回まとめる必要はないと思っている。今回まとまらなかったからといって国益が失われるとは思わない。国益が守られるまで粘り強い交渉をする必要があると総理にも申し上げたい」として、TPP合意を優先して妥協すべきではないとの立場を示した。