16年の世界の畜産物生産・貿易量は拡大、牛肉輸出はインド・ブラジルが伸長
米国農務省(UsDA)がこのほどまとめた世界の食肉需給・貿易予測によると、16年の主要国の畜産物生産量と貿易量は牛肉・豚肉・鶏肉ともに拡大することと予測されている。このうち牛肉輸出では、インドとブラジルがともに前年比9%増と大きく伸長する見込み。豚肉は、主要国の生産および消費量はともにほぼ前年並みとなっており、輸出量が同1.6%増とやや増加する。鶏肉は主要国の生産量が8,934万tと過去最高記録を更新し、輸出量もブラジル、米国、EUの主要国・地域が増加する見込みだ。この3カ国・地域で全世界の鶏肉輸出の4分の3を占める数量となる。
[牛肉]16年の主要国の牛肉生産量は前年比1.3%増の5,920万tと、15年の落込みから回復することが予測されている。米国やブラジル、インドなど主要生産国での生産拡大が見込まれており、とくにインドは海外需要の拡大で同7.1%も拡大するとしている。16年の牛肉生産量に占める輸出割合は、ブラジルの18%に対してインドは48%と輸出規模が大きいことが伺える。そのほか主要生産国のうち豪州は出荷頭数の減少で生産量は9.8%減少すると見込まれている。
牛肉輸出も前年比3.4%増の993万tに上ると予測。上述のようにインドが東南アジアや中東、北アフリカの需要増加によって前年比8.8%増の218万tと、引続き世界最大の牛肉輸出大国となるほか、ブラジル、米国でも大きな輸出拡大が見込まれる。ブラジルは中国向け牛肉輸出再開で16年は9.2%増加する見通しで、その中国の牛肉輸入量は16.7%増の70万t、香港も11.1%増の50万tに大きく伸長するもようだ。