発効の時期、影響試算で質疑-関東農政局で食品産業向けTPP説明会
農水省関東農政局は26日、さいたま新都心合同庁舎で食品産業向けの「TPP大筋合意についての関東ブロック意見交換会」を開催した。会場には200人の食品関係事業者が詰めかけ、発効の時期、影響の試算、12カ国の輸出・輸入関税の相互検索できる資料など、それぞれの立場を踏まえた質疑が行われた。
最初に、櫻庭英悦食料産業局長(=写真)が、「食品産業は一次産業の最大の実需者で、農産物の7割を扱っている。食品産業の皆さんの動きが、一次産業に与える影響は極めて大きい。今回は、内容を説明するとともに、意見、要望をうかがいたい。加工食品といっても、素材型から最終製品まできわめて幅が広い。TPPに当たっては、原料と製品のバランスに配慮したと考えている。しかし、食品産業の皆さんは、99%が中小企業であり大きな不安を抱える方も多い。今回、中小企業庁と一緒に説明会を行い、円安、原料高と中小企業の厳しい状況を踏まえ、対策などを検討したい。またグローバル化の中で、輸出など新たな展開を目指す会社もあると思うが、TPP参加国は、日本が輸出する食品、農産物の関税がすべて撤廃され、輸出拡大には大きなチャンス。一方で、検疫やHACCPの義務化などクリアすべき課題もあり、これを乗り越えなければならない」と、TPPと食品産業の関わりにふれてあいさつした。