東京市場豚価は28日に税抜420円、11月は一時的に下げも平均430~450円か
全国の肉豚出荷頭数が6万5,000頭を挟んで推移する中で、東京食肉市場の豚価(上物、税抜)28日に420円、また大阪食肉市場では466円となった。大手量販店で、国産豚肉の特売が始まったが、量販店側の価格を大きく下げたくないとの思惑や、野菜の高騰が鍋需要を冷やしている状況で、この水準を維持していることで、「これが底ではないか」との見方も出ている。11月については、月初に一段上昇、その後、中旬にかけて価格は低下するが、後半は連休や12月に向けて徐々に上げることで、月間では430~450円での推移と見込まれる。
10月の1日当たりの全国出荷頭数は、中旬は連休があったこともあって7万頭に近づき、19日以降も6万5,000頭を挟んで推移している。これまでの高騰は、出荷頭数が少ない中で相対で確保できなかった頭数(特に県産指定など)を無理に市場で手当てしていたことが背景にあると言われるが、ここまで頭数が増えてきたことで「これが実勢価格では」と言われる。
販売動向をみると、9月末段階で400円台前半まで下げたことで、量販店での国産豚肉の特売も徐々に始まり、10月第2週からは、全国展開する大手量販店でも特売を開始した。これにより物量が動き始め、豚価は一進一退ながらも東京で420~430円、大阪で450~460円で推移している。ただ、量販店では、国産牛肉(和牛、交雑、ホルス)の相場上昇で牛肉の販売数量が減っており、予算をクリアするために国産豚肉の特売で極端な安値を付けられない状況となっている。このため足元の特売でも豚切落し(肩・もも・バラ)で税抜100g当たり108円との値付けになっている。高騰時に比べれば下がっているものの、消費者としては、相場の下げを実感できるまでは下がっていないと言える。そのため、期待ほど物量が動いていないのが実情だ。また末端価格が下がらない中で、動くのはスソ物で、ロース、肩ロースもそれなりに動くが、バラは不振。例年なら鍋需要の高まりとともにバラが売れるが、今年はまだ動きが見られない。