TPP関連政策大綱を踏まえた農水分野対策説明会を開催-農水省
農水省は21日、省内で「“総合的なTPP関連政策大綱”を踏まえた農林水産分野の対策に関する説明会」を開いた。18日の補正予算の閣議決定を受け、農林水産品のTPP対策の具体的な内容を農林水産業関係団体や都道府県等地方関係者へ説明し、現場の不安と懸念の払しょくを図るもの。同説明会で森山裕農水大臣は補正予算で行うTPP関連の対策を紹介し、「これにより、新たな国際環境の下でも、経営マインドを持った農林漁業者の経営発展に向けた投資意欲を後押しするような対策ができた。現場の不安と懸念を払しょくし、生産者の将来への意欲が後押しされるようにしなければならない。この説明会を皮切りに、年明け早々から、農政新時代キャラバンと銘打って、ブロック別、都道府県別、品目別の説明会を開催し、省を挙げてきめ細かく丁寧な説明をしていきたい」と、対策への理解醸成を図る。
質疑応答では、「16年秋を目途に政策の具体的検討を進める事項にある“生産者が有利な条件で安定取引を行うことができる流通・加工の業界構造の確立”とは具体的にどういう意味か」との質問があがり、農水省は「取引関係については、マーケットメカニズムで決まるもの。消費者のシグナルを生産者にいかに伝え、いかに生産者と消費者が近づくか。生産者が価格形成に関与できるかが重要。どうやって安定取引に継続性を持たせるかを検討する」と説明した。また、基金化する事業についてどのように運営するか、県の関与はどうなるかを問う質問が多く上がった。
全国和牛登録協会の吉村豊信専務は「地理的表示の諸外国との相互認証の推進とあるが、GIで日本酒が認められている。輸出促進協議会の事務局が中心となって“和牛”が地理的表示と認められないか取り組んできた。和牛を地理的表示とするのは難しいのではないかという事で検討は前に進んでいない。和牛肉は我が国の牛という意味で日本酒と同じではないかと考えている」と質問した。農水省は「地理的表示法に該当するかは個別に判断する。普通名称かどうか、地域に基づくかどうかを判断する」との回答に止めた。