【ハムソー見通し】 15年生産はWHO問題が影響、微減の53.3万t前後か

ハム・ソーセージなど食肉加工品生産量は、2011年から14年まで4年連続で前年を上回り、14年は1.3%増の53.7万tとなった。好調な中食・内食需要が追い風となったものだが、円安と海外現地相場の上昇による原料高により、利益面では各社とも苦戦した。15年は、ほぼ前年並みの生産量を維持すると見込まれていたが、10月末のWHO問題で販売が低迷、年間では53.3万t前後とわずかながら前年を下回る見通しだ。16年は、WHO問題の影響は少なくとも年明けの早い段階で解消されると見込まれるため、生産(需要)は14年並みの53.7万t前後が見込まれる。

15年の生産量(日本ハム・ソーセージ工業協同組合)は、1~10月累計でほぼ前年並みの44.0万tを維持し、年間でも前年並みを維持するとの見方が多かった。原料面では、円安は継続するものの、現地相場がある程度下がったことで、原料高は後半には緩和されてきた。しかし、10月末にWHOの下部機関である国際がん研究機構が、発がん性を指摘する発表を行い、売れ行きに影響が出る事態が起こった。日本の食品安全委員会などが、発表の内容を精査した上で「食肉や加工肉はリスクが高いととらえることは適切ではない」との姿勢を打ち出したことで、影響は軽微と見込まれたが、歳暮ギフトにも影響が表れたもようだ。この結果、11~12月の生産量は前年を下回り、年間でも前年をわずかに下回る53.3万t前後が見込まれる。