1月の鶏肉需給展望 1月前半は穏やかな動き、相場はモモ・ムネとも下落傾向

寒さが強まらなかったことから、年末の荷動きが例年ほど盛り上がらず、年始からも比較的穏やかな荷動きが続いている。モモ、手羽元は季節なりに引合いが強い一方で、ムネの在庫は増えつつある。輸入品の在庫も輸入量が多かったことから12万tと多く、国産でも在庫を持ちたくない意向が強い。このため、モモ、ムネとも1月末に向けて下げていくと考えられる。一方で中旬以降寒さも強まっており、ある程度相場が下がれば特売もしやすくなるため、一気に下げるのではなく、緩やかな変化に収まりそうだ。

【価格見通しなど】15年12月の鶏肉相場(農水省統計部、税抜価格)をみるとモモ肉は前月比17円高の689円、ムネ肉は17円安の327円となった。モモ肉は上旬682円、中旬687円、下旬701円と、12月らしくクリスマスや年末へ向けて上昇したものの、急激な上昇とはならなかった。ムネ肉は、在庫が徐々に増える中、需要もいまいちで上旬335円、中旬326円、下旬317円と徐々に下げている。日経平均では、モモ肉は前月比18円高の677円、ムネ肉は21円安314円となった。

ことしは暖冬により、鍋需要が盛り上がらなかった影響で、年末から1月上旬にかけて、例年ほど急激な値上がりが起きなかった。1月は季節的には需要が落ち着く時期で、輸入品も在庫が多い中、現状の在庫を減らしたい意向も強い。一方で、18日には東京で雪が降るなど、ようやく冬らしい気候になりつつある。19日以降の気温にもよるが、鍋需要で引合いが増えるとも考えられ、モモ、手羽元では下げるにしても緩やかな下げに収まりそうだ。1月末に向け徐々に下げ、モモ肉は680~690円前後(日経平均で670~680円前後)に、ムネ肉は300~310円前後(日経平均で280~290円前後)に下落すると考えられる。