12月ハムソー生産4.2%減、15年はWHO問題の影響で0.7%減の微減に
2015年のハム・ソーセージ生産量は0.7%減と、11月からのWHO問題が影響し減少に転じた。ハムソー生産量は、11年から14年まで4年連続で増加、15年も10月までは、ほぼ前年並みを維持していた。しかし、10月末にWHO下部機関の問題が発生し、需要期である11~12月に減少した。各社の競争の激化や前年の原料高の影響(量目減)はあるものの、ハムソーの生産自体は、食の簡便化、高齢者の安定した需要で10月までは前年並みで推移していたが、WHO問題は、店頭でのハム類、ソーセージ類の販売とギフト商戦に大きな影響を与えた。
日本ハム・ソーセージ工業協同組合(日本食肉協議会委託事業)が発表した2015年12月の食肉加工品生産量によると、同月のハム・ソーセージ類の生産量は4.2%減の4万8,947tとなった。各社とも、WHO問題を受けて減産したことで需要期の12月ながら5万tを割込む水準にとどまった。
品目別では、ハム類が5.7%減少、ソーセージ類が4.4%減少、ベーコン類も3.0%減少と、それぞれ前年を下回った。特に、ギフトに影響が出たことでハム類の減少が目立つ。
2015年1~12月の年間では0.7%減の52万9,722tとなった。11~14年までの4年連続増加から減少に転じた。10月時点では、競争激化や円安による原料高で経営環境は厳しいものの、生産量は調理済み食品への需要、食の簡便化が高まったこと、さらに美味しいものを少量欲しいとのシルバー世代の需要からほぼ前年並みで推移していた。
だが、10月末にWHO下部機関がリスク評価せずに発がん性を指摘した問題がマスコミで取り上げられたことで、店頭でのハムソー売上が瞬間的に1割減少、その後、贈り先を考えギフト商戦に影響が出たことで、ロースハム、ウインナーが大きく減少した。
品目別には、ハム類はロースハムが0.5%減少、ボンレス、ラックスも減少しハム類全体では1.2%減となった。10月までは100%の前年並みだったが、特に12月の落ち込みが大きかった。