3月の豚肉需給展望 末端需要弱く出荷状況によってピークで500円前後か

2月の末端需要は量販店の決算セールなどで中旬までは比較的堅調に推移したほか、全国出荷頭数も当初予想よりは多くはなかったこともあり、枝肉相場も東京市場では第2週まで上物で550円強(税込、以下同じ)の展開となった。ただ、中旬以降は末端の特売需要も一段落し、決算期を控え問屋筋も在庫調整に移ったため買い気は弱まり、月末にかけて相場は500円を割り込み4週目は450円台を下回り、月平均では上物で520円、中物で488円と、それぞれ異常高値となった前年同月から100円強下回った。3月も2月下旬からの末端低迷が続いているなか決算月でもあり、出荷頭数は前年同月比を3%上回ると予想されているなど、相場の上げ材料は少なく、枝相場は前月並みかやや弱気の400円後半の展開となりそうだ。

[供給見通し]2月の全国出荷頭数(速報値)は139.3万頭(前年同月比12%増)となった。寒波や各地で散発しているPEDの影響とみられ、当初の農水省の出荷予測(145.7万頭・同14%増)よりも6.4万頭下回る結果となった。3月は農水省予測では141.3万頭で同3%増、過去5年平均比では2%増とみられている。稼働日1日当たりでは6.4万頭と前年3月(6.2万頭)に対して2,600頭程度多い水準だ。ただ、上述の通り、2月が寒波などの影響で予想より多くは出なかったため、今後の気温動向によっては出荷が増えてくる可能性もある。

一方、農畜産業振興機構の需給予測によると、3月の輸入チルドポークの輸入量は2.7万t(前年同月比7.5%減)、フローズンで3.8万t(3.1%増)の計6.4万t(1.6%減)とほぼ前月並みの数量と見込まれている。国内生産と輸入を合わせた総供給量は14.1万tと前年同月を0.9%ほど上回る見通しで、機構の出回り量予測(14.5万t・3.0%増)と照らし合わせると特に供給過剰と言う水準ではない。

[需要見通し]2月の末端需要は決算セールや「建国記念日」「肉の日」などの催事で、鍋物やトンカツ用など月初はバラやカタロース、ヒレ、裾物などまずまずの引き合いが見られた。だが、中旬以降は落ち着き、とくにロースの動きが緩んだ。3月に入ってからもロース、カタロースの動きが鈍く弱気にあり、むしろ輸入チルドの引き合いが強く、入船遅れもありタイトな状態にある。半面、ヒレは特売需要で引き合いが強く玉薄で、ウデ・モモなど裾物やひき材の引き合いも堅調にある。今後は「春分の日」の3連休にかけて需要はピークを迎えるが、学校が春休みに入るため学校給食用の需要が止まり、ウデ・モモなどの動きは鈍化するものと予想される。