牛タンの2015年輸入量は2.4%減の3.3万t、チルド12.5%増も冷凍減少
貿易統計によると2015年(年間)の牛タンの輸入量は2.4%減の3万3,140tとなった。米国産牛肉の月齢制限の変更で13年は前年比5割増の3.3万tとなり、14年も3.3%増加したが、15年は好調な焼肉需要があるものの、現地相場高、円安が影響して減少に転じた。BsE発生前の3.6万t(ピークは01年4.1万t)には、なかなか届かない状況が続く。
牛タンの需要は、引き続き好調な焼肉店需要と、牛タン専門店の拡大で堅調。しかし、米国を中心に、頭数減から現地価格が上昇、円安も加わって輸入コストは大きく上昇した。一時、急騰する牛肉に変わり、上昇幅の小さかった牛タンが量販店店頭に置かれる時期もあったが、さらに供給がタイトになり価格が上昇する中で減少に転じた。本紙の仲間相場(フローズン、kg当たり)でも、14年3月は米国産で1,200~1,250円、豪州産で1,100~1,150円、15年3月は米国産で1,200~1,250円、豪州産で900~1,100円だったが、16年3月(4日現在)は米国産で1,400~1,450円、豪州産で1,400~1,450円と、この1年の上昇幅が大きかったことが分かる。特に、豪州産の上昇幅が大きく、現状では米国産と同じ価格となっている。この価格上昇が需要拡大の足かせとなったと見られる。
なお、チルド・フローズン別では、フローズンは8.4%減の2万2,053tと減少するも、チルドは12.5%増の1万1,087tとなった。チルドは、価格が高い上にほとんど売り先が決まっているが、それだけ専門店などの需要が好調ということがうかがわれる。
国別の状況をみると、米国産はチルドが9.6%増の8,329t、冷凍16.7%減の8,224tで、今回、チルドとフローズンの割合が逆転した。豪州産はチルドが11.5%増の2,213t、フローズンが1.5%減の8,765tとなった。