【食肉加工品インタビュー】ブランド食肉を使ったアイテム軸にラインアップ強化-日本ハム
今春の新商品としてハム・ソーメーカー各社から減塩など健康志向を訴求した商品やブランド食肉を原料に使った商品、ディナー需要にあわせた商品など、様々な食肉加工品が発売された。販売開始から現在までの状況と注力している商品、今後の展開などについて、日本ハムの長田昌之ハム・ソーセージ事業部コンシューマ商品部商品開発課マネージャー、橋本直也デリ商品事業部コンシューマ商品部次長兼販促企画課課長兼ギフト課課長に話を聞いた。
–現在の状況について
他社との競争激化やカテゴリが狭いなかでの展開も影響し、ハム・ソーセージは苦戦している。消費者の節約志向が影響してPB商品のリニューアルも多く、NB商品でもボリュームパックへの要望が多い。少し前までは、安心や安全面を求める声が多く自社農場限定であることなどを訴求していたが、現在は少しでも量を求める声が多く、価格志向のニーズは徐々に高くなっているように感じている。「森の薫り」シリーズや「ウイニー」などで、増量や規格の変更を行いニーズにあわせた対応を行っている。「あらびきグルメイドステーキ」は、昨年11月に配合を豚肉100%に戻してから関西を中心に好調に推移している。
–注力している商品は
ニッポンハムグループの自社農場であるテキサスファームで育てられたブランド食肉「すこやか三元豚」を原料に使った「すこやか三元豚ロングウインナー」シリーズ(=写真)のブランド育成に注力している。シリーズを強化するため、6月からsMなどの小型店向けに170gの軽量タイプを新たに展開する。内容量を変えることで、幅広いプライスゾーンで品揃えができるようになり、シリーズ全体の底上げを図ることができると考えている。
昨年末の歳暮ギフトは、WHOの報道の影響でハム・ソーギフト全体が苦戦した。そのなかで、10年前に展開を開始した自社農場限定「美ノ国」シリーズは、安心・安全を前面にCMでの訴求などを展開し、認知度の向上に取り組んできたことから唯一伸長したブランドとなった。この取り組みをコンシューマ商品でも展開して、安心・安全でおいしい原料を使った加工肉といった切り口で商品の提案や訴求をしていきたい。「森の薫り」シリーズは「シャウエッセン」に次ぐブランドにしていきたいと考えており、6月からムーミンを起用したCMを展開している。「彩りキッチン」シリーズは4~6月に、「おこづかい3,000円プレゼントキャンペーン」を実施しており、従来のキャンペーンと比べて消費者の反応が大きい。「森の薫り」「彩りキッチン」では常に話題作りを行い、ブランドの育成に取り組んでいきたいと考えている。