食肉市場取扱金額は15年ぶりに4,000億円を超える-15年市場協会調査
日本食肉市場卸売協会がまとめた「食肉中央卸売市場及び指定市場の概要」(16年1月現在)によると、15年の中央10市場と指定18市場の総取扱い金額は、前年比9.6%増の4,267億円となった。4年連続で大きく増加しており、BsE発生前の2000年以来、15年ぶりに4,000億円を超えた。枝肉の高騰が影響し、震災後の12年と比べても1,000億円以上増加している。14年からは、372億5,753万円の増加となった。
中央市場は、12.0%増の2,927億円、指定市場は4.5%増の1,340億円となった。半面、全市場の取引成立頭数は、牛は8.1%減の37万2,019頭、豚は0.3%減の214万6,442頭と牛、豚とも14年に引続き減少した。
中央市場の取扱金額は、仙台16.1%増、東京12.4%増、横浜20.2%増、大阪11.1%増、福岡20.4%増と5市場で2桁増となった。そのほか、名古屋5.9%増、京都8.0%増、神戸8.3%増、広島9.0%増とそれぞれ増加幅は大きく、その一方で、さいたまは6.5%減少した。指定市場では、宇都宮16.0%増、川口15.6%増、姫路23.2%増、西宮21.7%増、坂出19.1%増、佐世保16.6%増と6市場で2桁増だった。
取引頭数では、牛は8.1%減の37万2,019頭と4年ぶりに40万頭を下回っており、震災のあった11年の39万9,944頭よりも少ない。前年を上回ったのは、横浜0.2%増、福岡1.8%増、姫路9.2%増、西宮3.1%増の4市場で、そのほか22市場で前年の取引頭数を下回った。
牛の取引頭数のうち、和牛は54.2%(前年から0.2ポイント増)、乳牛は17.0%(0.4ポイント増)、交雑牛は28.6%(0.6ポイント減)となった。
豚の取引頭数の減少幅はわずかで214万6,442頭となった。特に大きく増加したのは、神戸32.9%増、宇都宮18.1%増など。母豚の減少や14年後半のPEDでの子豚の死亡が15年の取引頭数にも影響したものとみられる。
農水省の16年1~4月の食肉流通統計の中央市場と指定市場の取引成立頭数をみると、成牛は前年同期比10.9%減の10万9,759頭、豚は2.9%増の72万6,387頭となっている。牛の取引頭数の減少傾向が継続している一方で、豚は出荷頭数の回復から増加傾向となった。豚については、同省の肉豚出荷予測でも4~9月の期間で2~3%の増加を予測しており、今後も増加傾向で推移するとみられる。