8月の牛肉需給展望 和去A3で2,450円前後か、相場は僅かな上昇にとどまる
7月の枝肉相場は、需要自体が「海の日」の連休後も大きく盛り上がらず、量販店では国産の枝高から潤沢に供給される輸入チルドビーフに移行したこともあって、多くの等級で6月を下回る結果となった。当初は、少なくとも6月を上回ると見込まれたが、予想を大きく下回る結果となった。
8月についても、量販店のチラシは輸入ビーフが大半であり、和牛、交雑、乳雄への引き合いは例年を下回る。このため大型連休前の4月の相場を超すのは難しく、7月をわずかに上回る水準にとどまると見込まれる。
16年7月の東京食肉市場の規格別の価格(生体、消費税8%込み)は、和去A5で前月比7円高の2,859円、A3は47円安の2,407円、A2は116安の2,176円となった。A5はわずかに上昇したが、それ以外の等級は軒並み低下、特に3等級、2等級の低下が大きく、ここは量販店での売れ筋であるため、量販店での販売不振がうかがわれる。
また、交雑B2は10円高の1,490円とわずかに上昇しており、和牛の2等級などからの移行とも見られる。乳去B2は、20円安の1,017円で、輸入チルドビーフとのバッティングでバラを中心に売れ行きは不振で、出荷頭数の少なさでやっと、この相場(生産コストギリギリの水準)を維持している状況だ。
一方、輸入牛肉は、6月の輸入量はチルドで豪州1.1万t、米国0.9万t、合計22.4%増の2.1万tだった。3月まで比較的タイトだった反動もあるが、4月以降2万t前後で推移しており、特に不需要期の6月に大量に輸入されたことで市中では余剰感が高まった。さらに、中身をみると、米国のバラは4~6月の3カ月で前年同期比99.9%増の1万4,087tと倍増している。また米国のカタ系の輸入量も多く、バラとカタが需要以上に供給された。業界の話を総合すると7月も大きくは減らず、8月生産になってようやく絞られたと見られる。そのため、余剰感のあるバラ系の消化は旧盆手当の段階までかかったと見られる。