11月の鶏肉需給展望 寒さが強まる中で、鶏肉需要は堅調
鶏肉相場は、10月にモモ、ムネとも大きく上昇した。10月は日経平均でモモ625円、ムネ265円となり9月からモモで35円高、ムネで25円高となっている。11月7日の日経平均では、モモ641円、ムネ277円となっており、10月からさらに上昇している。10月は徐々に寒くなってきたことで、鍋需要が増えておりモモ、手羽元への引合いが強まったこと、生産面では9月の台風の影響などが残り供給もタイトだったことで、10月後半には予想以上の上昇となった。ムネについても、モモに比べれば動きは落ち着いているものの、野菜の高騰から、安価な食材としての特売需要もあり、上昇している。生産面がタイトなことから、手羽元は玉なし、その影響で手羽先も代替として販売されるなど、全体的に好調となった。
今後は、年末へ向けてモモ、ムネとも上昇していくと思われるが、生産面では徐々に落ち着いて計画通りの数量に近づくと見られ、タイト感は11月に一旦落ち着くと見られる。一方、年末の需要については、昨年は凍結品が余剰となったことから、ことしの動向は読みづらい。10月に需給がタイトな中で年末向け凍結品を販売した例もあるが、輸入品在庫の多さもありその影響が残るかどうかも不透明な状況だ。
輸入品では、ブラジル船積みは9月4.7万t、10月2.2万tと大きく上下した。年末向けの10~12月に輸入されると見られる8~10月のブラジル船積みは平均3.3万tとなり、通常の数量に落ち着いた。現状の輸入品在庫数量は約14万tと多いものの、タイ産の輸入量にもよるが、じわじわと年始に向けて在庫も減少すると見られる。