伊藤ハム米久HD中間は減収増益、営業利益は加工食品24億円増、食肉は前期並み
伊藤ハム米久ホールディングスは9日、東京証券取引所で2017年3月期第2四半期決算会見を行った。宮下功代表取締役社長(写真)、石井隆取締役執行役員経理財務部・人事総務部担当、野澤克己経営企画部部長が出席した。冒頭、宮下社長は、「米久が販売した製品がご迷惑、ご心配をおかけしたことを深くお詫びする。グループとして回収に全力を尽くすとともに、原因究明、再発防止策を講じ、食品メーカーとしてより一層の品質管理に努めていく」と謝罪した。
石井取締役が決算の概要を説明したが、決算短信では今期が第1期で前期比が出ないが、前期の実績を比較すると、売上高は108億円減(2.6%減)、営業利益18億円増(20.9%増)、経常利益33億円増(38.4%増)、当期純利益31億円増(49.5%増)と、減収増益となった。
セグメント別には、加工食品は売上高50億円増収、営業利益24億円増益となった。ハムソーは業務用が好調で、トータルでも0.9%増収となった。調理加工食品はワンハンドスナック、とんかつ、ハンバーグなどデリカが伸長し4.6%増収となった。営業利益の増減要因をみると、主原料などコスト要因が14億円、販売数量要因が1.5億円、シナジー効果が2.2億円など。
食肉事業は売上高は146億円の減収、営業利益はほぼ横ばいだった。国内牛肉の高値が継続する一方でそれ以外の畜種が相場安で単価が下落した。また海外事業では、円高や相場低下で16%減収したが、これはほぼ為替要因となっている。営業利益の増減要因では、数量が伸び(3億円増益)、粗利も改善、輸入牛肉の収益も改善した(合計9.5憶円)。しかし海外事業(NZのアンズコ社)で11億円の減益となり、全体でほぼ前年並みとなった。
通期の予測(11月1日に修正を発表)では、売上高は海外事業が下回るため300億円下方修正したが、利益面では上方修正した。前期比では、売上高は174億円減収も、営業利益26億円増、経常利益37億円増、当期純利益24億円増と増益を見込む。