17年度畜産物価格、年内の決定に向け議論を開始-自民党・畜酪小委

自民党は6日、畜産・酪農対策小委員会(坂本哲志小委員長)を開き、17年度畜産物価格決定へ向けた議論を開始した。同日の会議では、農水省から畜産・酪農をめぐる情勢の報告が行われた。会議では、TPP関連政策大綱に基づく補給金制度の見直しとして、加工原料乳生産者補給金への液状乳製品の追加についても説明が行われ、議論では主にこの議題について意見が交わされた。政府の予算編成に合わせ、12月中の決定をめざし、今後は10~11日に現地視察を行い、12日に団体ヒアリングを行う予定となっている。

農水省の情勢説明のうち牛肉関係では、国内の消費量・生産量がほぼ横ばいな中、この10年間で中国の牛肉輸入は78倍、アジアは2.7倍に急増し、14年では、日本と中国で世界の輸入の3割を占める状況で、いつまでも日本が思うままに牛肉を輸入できる環境になく、買い負けが起きるという声を紹介。国内生産の振興が重要だと説明した。また、16年度上期の枝肉価格は、乳用種のみ前年を下回っているが、和牛、交雑種とも過去最高で乳用種も含めいずれも高水準で、子牛価格も過去最高水準となっている。16年2月現在の肉用牛の飼養動向としては、戸数、頭数とも減少しているが、肉用牛繁殖雌牛の頭数は生産基盤強化対策により、16年には6年ぶりに増加に転1、58.9万頭に回復した。

豚肉関係では、消費量と生産量は概ね横ばいで推移する中、牛肉と同様に買い負けが起きる可能性を指摘。価格は13年度の猛暑の影響や国内PED発生の影響などで出荷頭数が減少したことから高水準で推移したものの、15年度後半以降出荷頭数が回復し、16年夏以降は価格水準も落着きが見られ、最近は安定的に推移している。飼養動向では、戸数は減少傾向であるものの、1戸当たりの使用頭数と子取り用雌豚頭数が着実に増加しており、大規模化が進展している。