肉専子牛の生産費0.9%減、廃用価格上昇で繁殖雌牛償却費が減少-15年度生産費
農水省大臣官房統計部は9日、2015年度(平成27年度)の肉用牛生産費を発表した。生産費のみの調査であり、肉用子牛の保証基準価格、牛肉の安定価格算定の資料として利用されるもの。
調査結果によると、繁殖めす牛を飼養し肉専用種の子牛を販売する経営の子牛1頭当たりの全算入生産費は、前年度比0.9%減の59万340円となった。労働費が1.4%増加したものの、繁殖雌牛(廃用)価格の上昇による処分差益の増加により、繁殖雌牛償却費が25.2%減少したことが要因。
規模別には、繁殖雌50頭以上層では、物財費がわずかに増加、労働費が9.8%増加し、全算入生産費は0.7%増と、規模が大きいにもかかわらず増加している。
ほ育・育成期間は9.1カ月、販売時体重は284.0kg、子牛1頭当たりの販売金額は21.1%高の66万8,630円で2割高となった。
肉専用種の去勢若齢肥育和牛を肥育し販売する経営の1頭当たりの全算入生産費は107万751円で前年度比8.0%増加した。これは、もと牛価格の上昇により、もと畜費が15.4%増の58万5,251円に上昇、労働費も8.4%増加したことなどが要因。200頭以上層でも、費用合計で9.1%増、全算入生産費でも9.2%増となった。肥育期間は20.0カ月、販売時体重は768.8kg、販売価格は18.7%高の120万7,278円だった。