畜産物価格決定へ、現地報告と団体要請を受け議論-自民党畜酪小委

自民党は12日、畜産・酪農対策小委員会を開き、畜産物価格決定に向け、10~11日に実施した北海道、九州の現地視察の報告と団体からのヒアリングを行った。会議の冒頭、坂本哲志小委員長は、子牛価格の暴騰や酪農の加工原料乳価格の変更などに触れ、「新しいスタートの価格決定となる」とあいさつ。西川公也農林水産戦略調査会長は、「マルキンの法案が成立した。今後は運用も含めて対応していきたい」と語った。団体要請は、全国農業協同組合中央会の畜産委員長森永利幸氏、全国肉牛事業協同組合の山氏徹理事長、日本養豚協会の志澤勝会長らが行った。

全国肉牛事業協同組合の要請では、もと牛の高騰による厳しい状況を報告し①牛肉安定価格等の適切な設定②農業競争力強化プログラムの早期具体化とフォローアップ③牛マルキンの財源確保と法制度への円滑な移行④経営継続のための資金制度等の適切な運営と充実–を要請した。

日本養豚協会は①養豚経営安定対策事業(豚マルキン)への国の支援の強化を速やかに行うこと②チェックオフ制度の推進母体立ち上げ等への助力と条件が整った時には法制化を速やかに行うこと③畜産クラスター事業について、養豚農業分野は施設整備に多額の費用が必要なことから十分な予算の確保を図ること④国産豚肉のトレーサビリティーの推進と、農場HACCP、JGAP等の国際化に対応した日本型認証制度の普及啓もうと取り組みに向けた指導体制の充実強化を図ること⑤家畜改良増殖目標に則した種豚の育種・改良、遺伝資源確保対策の充実強化を図ること–の5点を求めた。