「羊フェスタ2022」開催、コロナ前を超える来場者で盛況に、羊肉市場の可能性を実感
羊を愛する消費者や業界関係者らでつくる国内最大の羊文化の祭典「羊フェスタ2022」が11月5日~6日の両日、東京都中野区のなかのアンテナストリート(中野セントラルパーク内)で開かれた。
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羊を愛する消費者集団である羊齧協会(ひつじかじりきょうかい)が主催するイベント。今回で第8回目を迎え、3年ぶりの通常開催となった。当日は北海道士別市をはじめ、豪州、ニュージーランド、米国、ウエールズ、アイスランドなどの各国羊肉団体のブースが出店したほか、「味坊」などの飲食店、物販店など15ブースが出店し、幅広い羊肉の楽しみ方を提案した。
2日間ともに天候に恵まれたこともあり、スタート前からすでに各ブースには多くの行列ができるなど、コロナ過前を上回る盛況ぶりとなった。一般消費者のなかには、毎年イベントに駆けつけるリピーターのほか、インポーター・ディストリビューターといった羊肉関係の関係者も来場するなど、羊肉の大きな可能性を感じさせるイベントとなった。
出店者のうち、ラムバサダーのブースでは、恒例のオージー・ラムのラムチョップを、特製ソースを付けて販売した。ことしは2日間で3千本を用意、コスト事情から1ピース当たり1000円(前年は800円)で発売したものの、開始直後から300m弱の長蛇の列ができ、両日ともにイベント終了2時間前には完売となった。
「味付ジンギスカングランプリ」の受賞商品や「ジンギスカンのジンくん」のグッズも販売。さらに、ブースには飲食店関係者などプロの相談にラムバサダー・メンバーがアドバイスする「羊なんでも相談ブース」が併設され、ラムのメニューを増やしたい、羊肉の新しい業態を始めたい、など終始途切れることなく多くの相談が相次いだ。
MLA豪州食肉家畜生産者事業団の三橋一法ビジネスデベロップメントマネージャーによると、関東近隣だけでなく、東北や関西からはるばる相談に来た人もいたという。三橋マネージャーは、「羊フェスタは消費者主導で盛り上げる羊肉の文化祭だが、業界関係者も巻き込んだイベントとしても認知されつつあり、羊の可能性を大いに感じている」とコメントしている。
米国食肉輸出連合会(USMEF)は今回が初出店となった。ブースでは、アメリカンラムの試食イベントの案内や、フォトスポットでSNSにアップロードするとアメリカンラムが当たるプレゼントキャンペーンを実施した。ブースでは、大型パネルやチラシ配布を通じて、アメリカンラムが肉用品種で穀物を与えて育てているなど特徴を紹介していた。
アンズコフーズは、レストラン「WAKANUI」のグリルマスターが調理した「WAKAN UI スプリングラム」のラムチョップ(2ピース1500円)やニュージーランド産ワインを販売した。黒澤完ジェネラル・マネージャーは「今回8年ぶりの参加となった。旬のラム肉であるスプリングラムと現地から直輸入したワインで多くの人にニュージーランドを感じてもらえれば」と話していた。
〈畜産日報2022年11月9日付〉