ウルグアイ食肉協会「FOODEX2023」参加、自然環境で育てられた牛肉の魅力をPR

ウルグアイ食肉協会(INAC)のアルバロ・ペレイラ氏(マーケット・アクセス及びインテリジェンス担当)
ウルグアイ食肉協会(INAC)のアルバロ・ペレイラ氏(マーケット・アクセス及びインテリジェンス担当)

ウルグアイ食肉協会は、3月7日から3月10日まで東京都内で開かれた「FOODEX JAPAN 2023」に出展し、ウルグアイ産牛肉をPRした。

ウルグアイ食肉協会(INAC)のアルバロ・ペレイラ氏(マーケット・アクセス及びインテリジェンス担当)は畜産日報のインタビューに応じ、自然豊かな地で育てられたウルグアイ産牛肉の魅力や、世界各国で支持されるウルグアの牛肉産業、日本での輸出状況などについて語った。

ペレイラ氏によると、ウルグアイの人口は日本の40分の1と少ないながらも、自然資源に恵まれており、畜産に携わり、生産量の約80%を輸出しているという。ウルグアイ産牛肉の特徴は、〈1〉豊かな自然環境での飼育〈2〉情報技術による安全性と信頼――が挙げられる。

ウルグアイは、豊かな自然の中で、人口1人当たり4頭の牛を飼育するほど多くの牛が飼育されている。国土の80%以上が放牧に使用されており、牛1頭当たりサッカー場2つ分の面積の放牧地が与えられている。国内経済で農畜産業が主要産業となっているため、環境への配慮も十分に行い、パリ協定やCOP21・26に準拠して生産しているという。情報技術により、牛は生まれたときから、処理や加工されるまで全て管理され、トレーサビリティが担保されている。この正確な情報技術により、世界各国で信頼を得て、厳しい規格を持つEUや米国などへ10年以上の輸出実績があり、世界の牛肉生産量の5%をウルグアイが占めるという結果になったとしている。

また、ペレイラ氏は、とくに「自然の豊かさ」が最大のアピールポイントだとして、〈1〉広大で豊富な自然があり、その豊かな草原で牛を飼育している〈2〉農畜産業の生産と自然が調和している――の2点を強調した。ウルグアイでは、約2500種類の植物、約800種類の動物がいる豊かな自然の中で4世紀にもわたり畜産業が営まれてきたという。国内の自然資源を最大限活用し、自然と調和した非インプットな形態の畜産業だとも付け加えた。

日本へ輸出する牛肉の特徴としては、〈1〉牧草のみで飼育したグラスフェッドの牛肉。赤身で深い味わいを持ち、ジューシーで、脂の重たさを感じず、クリーンでさっぱりとした味〈2〉牧草(33カ月齢)と穀物(3カ月齢)で飼育した牛肉で、グラスフェッドと似ているものの、グレイン特有の脂加減と味わいが加わる――の2種類があり、日本国内のヘルシーで赤身を求める需要や、牛肉の脂身を求めるニーズに対応が可能という。抗生物質やホルモン剤などを使用していないことも特徴だ。

現在のウルグアイの輸出は、大手市場に牛肉を流通させる傾向にあり、その市場は〈1〉中国〈2〉ウルグアイ〈3〉米国〈4〉EU――の4つとなっている。中国へは、多種多様な牛肉の部位かつ生鮮肉から加工品までを輸出し、スーパーやレストランで販売している。ウルグアイ国内では、牛肉に根差したグルメな食文化のもとで流通され、人口当たりの牛肉消費量は世界第5位となるほどの消費量となっている。

米国では集約農業で牛肉が生産されているものの、持続可能な形で、大自然の中で育てられたウルグアイ産牛肉も非常に好まれており、ウルグアイからも輸入しているという。EUも牛肉生産を行っているものの、乳用牛の副産物として牛肉が生産されている側面もあり、食用肉として生産されるウルグアイ産牛肉が評価されているという。これら主要4市場以外の市場も開拓する必要があると考え、日本市場にも輸出している。日本が輸入先を広げるという観点からもウルグアイの参入はお互いにとってメリットになるとも見解を示した。

日本には2019年に牛肉輸出を開始、近年はタンも輸出している。日本への輸出状況は好調で、2022年の輸入額は4500万ドルで、5000万ドルに近づく勢いにあるという。ウクライナ紛争などの影響は当初物流面で受けたものの、現在は解消され、牛肉の輸出には影響しないとの見解を示した。むしろ、需要の増加への対応という課題があり、世界各国が経済発展する中で、肉食を基本とした豊かな外食が求められ、需要が増加しているとも述べた。

また、ウルグアイ産牛肉の日本市場への輸出も伸びていると分析し、スーパーマーケットトレードショーやFOODEXに出展し、新規販路開拓を目指している。ペレイラ氏は、今回のFOODEX出展に対する日本の市場関係者の反応は非常に良好で、成果があったと語っている。「ウルグアイビーフの取扱を増やしたい」「レストランでウルグアイビーフを使って非常に満足している」という声があった上に、レストランのオーナーがウルグアイへの現地視察を検討しているという話もあったという。日本は牛肉消費量も比較的多いため、改めて牛肉やタンの輸出も増やしていきたいと述べた。

ペレイラ氏は、今後の日本市場への輸出の展望としては、さらなる拡大に可能性を見出しているものの、現在12%の関税が掛る点が弱みだと語った。輸出額も当初の1500万ドルから現在は4500万ドルへと3倍に拡大しており、年間5~6%の伸び率にあるという。今後、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)に加盟し関税撤廃することで大きな躍進を遂げ、豪州やニュージーランドなどの強豪国とも肩を並べて競争できるのではないかとの考えを示した。

ウルグアイ食肉協会では、HP上でのウルグアイ産牛肉の情報も公開している。日本語のHPもあり、HP上では、▽ウルグアイってどんな国?▽ウルグアイビーフについて▽レシピ紹介――などの項目ごとに、分かりやすく、見やすく紹介を行っており、豊かな自然の中で生産されていることがうかがえる。ウルグアイ産牛肉はシジシージャパンでの販売、外食店ではブロンコビリーやジョナサンなどのメニューで取り扱われた実績があり、徐々に知名度を上げてきており、さらにその動向が注目される。

◆ウルグアイ食肉協会「ウルグアイビーフ」日本公式サイト