日本ハム 新銘柄の鶏肉「北のこめこっこ」投入、北海道産玄米を給餌、共創ネットワーク通じてブランド食肉の自給飼料化・循環化を促進、道産小麦与える豚肉「麦小町」も
日本ハムは3月15日、東京都港区のプルマン東京田町で、食肉事業の取組みを紹介するセミナーを開いた。
そのなかで、持続的な畜産生産を推進するため、日本ハムが掲げる「共創ネットワーク」を通じて、国産飼料の自給化と家畜排せつ物等を農地に還元する循環化を推進する方針を明らかにした。
それを具現化するブランド食肉として、国産鶏肉では、北海道産玄米を与えた「北のこめこっこ」を、国産豚肉では「麦小町」の新ラインアップとして北海道産小麦を与えた商品を新たに投入する。両商品とも4月から発売を始め、ブランディング活動も展開する方針だ。
「北のこめこっこ」は、2021年1月から開発を進めてきた、仕上げ期に北海道産の玄米とローズマリー粉末(輸入)を給餌した日本ハムの新たな銘柄鶏肉。生産する日本ホワイトファーム札幌生産部では、発生した鶏糞を道内の野菜農家に還元する。これらの取組みを通じて、飼料自給率の向上、地産地消、地域貢献に寄与している。消費者に商品特徴が感じられるようネーミングにもこだわった。北海道内の量販店をはじめ、本州中心の北海道フェアでの販売をターゲットとしており、初年度の計画として、処理羽数60万羽(/年)、販売額9億円(/年)を目指している。
国産豚肉「麦小町」では、現在、仕上げ期に麦類を15%以上給餌して生産しているところ、新たなラインアップとしてこの麦類を北海道産規格外小麦に置き換えて生産する。ニッポンハムグループが保有する畑で小麦を生産し、不足分は外部から北海道産小麦も購入、集めた小麦を配合し、インターファームで給餌する。また農場で発生した糞尿を肥料化して自社の畑へ散布する。これら一連の循環型農業の取組みの生産プロセスを通じた「麦小町」として提案していく。
ニッポンハムグループだけでは不足しがちな、飼料原料の乾燥・保管・流通・配合といった専門的なノウハウについては飼料メーカーと連携する「共創ネットワーク」を通じて循環型農業を確立していく。北海道および全国の量販店での販売を予定し、初年度の出荷計画として、1万3千頭(/年)、販売額5億円(/年)を目指している。
セミナーでは、木藤哲大代表取締役副社長副社長執行役員兼食肉事業本部長、食肉事業本部国内フレッシュチキン部の小俣秀輔リーダー、食肉事業本部国内ポーク部の酒井大輝リーダー、食肉事業本部食肉マーケティング推進室の佐々木佳奈リーダーが登壇した。
木藤本部長は、食肉事業を取り巻く情勢を説明した後、日本ハムが食肉事業の目指す姿として掲げている、「共創ネットワーク」構築やブランド食肉のポートフォリオの具現化に向けた取組みを紹介した。そのなかで、持続可能な食肉事業の目指すための一環として、リーディングカンパニーとして国産飼料の生産・利用の拡大を進めていくと強調した。
その後、酒井氏、小俣氏からそれぞれ4月から販売する上記ブランドを紹介、佐々木氏は既存の国産鶏肉「桜姫」と「アンデス高原豚」の両ブランドのブランディング活動を報告した。
〈畜産日報2023年3月16日付〉