スペイン仔羊肉試食商談会「SPAIN CORDERO FAIR」開催、コルデロ・レチャルなどメリノ種仔羊肉の魅力を発信
スペイン仔羊肉生産者で組織する団体「EA group」(スペイン仔羊肉生産者協業組合)とスペインクラブグループ(スペイン専門輸入商社(株)サス/(株)スペインクラブ)は3月8日、9日の2日間、東京都中央区の月島スペインクラブでスペイン仔羊肉試食商談会「SPAIN CORDERO FAIR」を開いた。
2022年10月に開催して以来、今回は第2回目の開催。EA groupが生産するスペイン産メリノ種の〈1〉コルデロ・レチャル(乳飲み仔羊、生後約45日)〈2〉コルデロ・レセンタル(約3カ月齢)――と成熟度の異なる仔羊肉を紹介したほか、EA groupが来日し、特別セミナーを行った。
会場では、仔羊肉の展示に加え、ロング・ロインリブ(あばら肉)を国内でカットしたラム・ラックやTボーンステーキなどを並べ、量販店や百貨店などで使い勝手の良いアイテムとして、新たな商品開発にも取り組んでいることをアピールした。
EA group経営責任者のファン・カルロス氏のセミナーでは、EA groupの歴史や商品の特徴・こだわりなどを説明した。それによると、EA groupはスペイン・エストレマドゥーラ州の仔羊肉生産者で組織された同国最大の食肉生産協業組合グループで、現在、会員1,600人、グループ農家の総飼養頭数は80万頭を有し、生産からと畜・加工、販売まですべてを管理している。
主に生産する、〈1〉コルデロ・レチャル(乳飲み仔羊、生後約45日)〈2〉コルデロ・レセンタル(約3カ月齢)のそれぞれの特徴についての説明で、コルデロ・レセンタル(約3カ月齢)は、飼料に大豆や小麦、トウモロコシといった穀物を給餌しており、これによりラム特有の臭みが少なく、柔らかくて、低脂肪、うまみがありながらも豊潤かつ濃厚な味わいとなる。一方で、生後45日のコルデロ・レチャルは、乳のみで育ったミルクフェッドでスペイン特有の希少価値の高いものだとした。
また、EA groupでは厳格なトレーサビリティに加え、アニマルウェルフェアに取り組み、健康でストレスのない飼育環境と責任ある食肉生産を行っている。1997年には、エストレマドゥーラ州から地理的表示保護(I.G.P.)に認定されるほか、ハラール認証やコーシャ認証、オーガニック認証などさまざまな国際認証を取得している。
〈日本市場での認知度向上に注力、食文化に合ったアプローチが重要/ファン氏・ラウール氏〉
本紙「畜産日報」のインタビューに対し、ファン氏は「昨年からサスを通じて日本への輸出を開始しているが、まずは日本市場におけるスペイン産仔羊肉の認知度を高めることが重要だと考えている。日本でスペイン産食材を輸入・販売するサスとの連携により、スペイン産仔羊肉をいち早く日本に提供することができ感謝している。品質の高さを重視する日本市場において、これからスペイン産仔羊肉の魅力を伝えていきたい」と意気込みを見せた。
INTER OVIC(スペイン羊・山羊協会)のラウール会長は日本での認知度向上に向けて、「『FOODEX JAPAN 2023』においてミシュランで星を持つシェフとタッグを組み、新たなアイデアでスペイン産仔羊肉の魅力を発信している。このように、認知度を高めていくためには、各国の食文化に合ったアプローチをしていくことが重要だ」と述べた。
〈畜産日報2023年3月17日付〉