信州ハム、軽井沢工房をリニューアル、長野県産豚肉使用「おいしい信州ふーど」を第3のブランドへ、20年間販売を続けてきたコンセプトを再構築
信州ハムは5月16日、軽井沢プリンスホテルで軽井沢工房リニューアル新商品発表・試食会を開いた。取引先、地元TV局など約40人が参加した。
2004年4月、軽井沢町に軽井沢工房本店がオープンした。信州ハムの関連会社であるグルメ信州のもと、信州ハムのアンテナショップとして、ハムソーセージ製造・販売に加え、カフェレストラン、ウインナー手作り体験を併設した施設として、軽井沢の新しい観光スポットとなるようスタートした。
2005年6月に軽井沢駅にステーションビル店、2015年3月にMIDORI長野店と、工房で製作した商品を幅広く提供が可能となるよう、2カ所の販売拠点を設けている。2012年4月からはドイツの食肉マイスター取得者が製造に加わった。信州ハムの研究開発室の片桐智企氏が修行先ドイツでマイスターの称号を取得し、マイスターの技術で製造された商品となった。現在は3人のマイスターが製造に携わっている。
今回、開設20周年を迎える中で、信州産をより追求した製品とすべく、原料をすべて、長野県産豚肉に変更した。製品の製法は歴史ある軽井沢工房のレシピを忠実に再現、一方で、多くのお客さんに届けられるように信州ハム上田工場に製造委託した。ただ、製造に3人のマイスターが携わることは変わっていない。なお、同時に4月に軽井沢工房株式会社を設立させた。原料を長野県産豚肉としたことで、長野県農政部が進める「おいしい信州ふーど」に、軽井沢工房の多くの商品が加わった。
会場では堀川善弘信州ハム代表取締役社長があいさつに立ち、「2022年秋に、『現状維持は衰退、常に新しいことに挑戦』をスローガンに、第3のブランドへの挑戦として、グリーンマーク、爽やか信州に続く信州の魅力発信へ、『県内各社との共創と共生』を掲げ、長野県産豚肉を使用した熟成ホワイトロースハムを発表した。今日はその第2弾となる。20年を迎えた軽井沢工房を株式会社として新たに設立、長野県農協直販に供給していただく長野県産豚肉を使用し、信州ハムのドイツ食肉マイスターの職人技を駆使し、『おいしい信州ふーど』やSDGs推進企業として、20年間販売し続けてきたコンセプトを再構築しリニューアルした新商品を発表する」と説明した。
続けて中村昭彦軽井沢工房(株)代表取締役社長(信州ハム営業本部長)が、「軽井沢工房は20周年を迎えた。この20年間、信州、軽井沢の地で製造してきたが、一つだけ足りないものがあった。それは原材料に使う肉。今回、長野県農協直販の協力により、長野県産豚肉を供給していただくことになった。この20年の節目にあたり大きなリニューアルを行うことができた。信州、軽井沢、長野県産と、3つの大きな柱ができた。小さな工房で少ないロットで製造してきたが、信州ハム上田工場に生産委託することになった。大きく製造量を増やすことができ、軽井沢工房は大きく羽ばたいていきたい」とコンセプトを説明した。
また長野県農協直販の内田社長、長野県農政部農業政策課農産物マーケティング室の高橋室長が祝辞を述べた。
会場では、軽井沢プリンスホテルが監修、軽井沢工房の製品を使った、乾塩ベーコンと信州野菜のシーザーサラダ、フライッシュケーゼ・トマト・アボガドのブルスケッタ、原形ロースハムステーキ(5mm)、スモークスペアリブグリル、あらびきウインナー・ハーブウインナー・チョリソーのグリル、骨付きももハムのカッティングサービスなどが試食として提供された。また、長野県産豚肉使用にリニューアルされた各商品が紹介された。なお、商品は前述の2店舗、WEBで販売されるが、価格はあらびきウインナーで税込600円としている。
〈畜産日報2023年5月17日付〉