全農肉牛枝肉共励会、名誉賞は宮城県・髙橋榮一氏の出品牛、キロ単価8106円で小川畜産興業が落札、4年ぶり開催の褒賞授与式も
全国農業組合連合会は7月7日、東京都中央卸売市場食肉市場で「第25回全農肉牛枝肉共励会」を開いた。
全国18都県から和牛去勢の部214頭、和牛雌の部88頭、交雑種32頭の合計334頭が出品され、審査の結果、宮城県の髙橋榮一氏の出品牛(黒毛和種去勢、31カ月齢、A5、枝肉重量498.0kg、歩留基準値78.7、BMS12<牛脂肪交雑基準>)が名誉賞に輝いた。キロ単価8106円で小川畜産興業(株)が落札した。宮城県勢が5年連続で名誉賞を獲得し、小川畜産興業も5年連続で名誉賞を購買している。
2023年は4年ぶりに取引先懇談会と褒賞授与式が開催された。
日本食肉格付協会の小林淳二専務理事が審査講評を行い、髙橋氏の出品枝肉について「ロース面積が82平方センチメートル、バラ厚が10.3cm、皮下脂肪の厚さ2.2cm、歩留基準値78.7と非常に立派な枝肉だった。モモ、ロース、バラ、肩の振り合いが良く、肉付きが充実し、筋肉構成割合も申し分なかった。肉質についてはBMS12で、健康に育ったことがうかがえる光沢の良い枝肉だった」と評した。
和牛雌最優秀賞の髙﨑氏の出品枝肉については、「特筆すべきは、切開面だけをみれば去勢を思わせる迫力があり、思わず男前と言いたくなるよう」とし、さらに「オレイン酸が高いと思われるつややかな粘りのある脂肪だった」と評価した。受賞した髙橋氏は運よく受賞できたと謙虚な姿勢で受賞への感謝を述べつつ、受賞した要因について「おいしい肉である点が評価されたのではないか」と語った。弟の代わりに受賞した髙﨑淳史氏は、「はじめての共励会で受賞できたのが嬉しい」と笑顔で語った。
各部門の受賞者、牛枝肉情報、落札額、落札企業は以下の通り。
〔名誉賞〕
宮城・髙橋榮一(黒毛和種去勢、31カ月齢、A5、枝肉重量498.0kg、歩留基準値78.7、BMS12)キロ単価8106円・小川畜産興業(株)。
〔和牛去勢の部〕
◆最優秀賞
栃木・松本昭二(黒毛和種去勢、28カ月齢、A5、枝肉重量632.0kg、歩留基準値80.8、BMS12)キロ単価5001円・乙川畜産食品(株)。
◆優秀賞
▽青森・(株)たにかわ牧場(黒毛和種去勢、29カ月齢、A5、枝肉重量609kg、歩留基準値81.3、BMS12)キロ単価2911円・(株)伊勢屋
▽青森・(有)金子ファーム(黒毛和種去勢、31カ月齢、A5、枝肉重量587.0kg、歩留基準値81.4、BMS12)キロ単価3526円・(株)中村畜産
▽宮城・内海清一(黒毛和種去勢、30カ月齢、A5、枝肉重量618.0kg、歩留基準値83.0、BMS12)キロ単価3310円・(株)小川畜産興業。
ほか優良賞7点。
〔和牛雌の部〕
◆最優秀賞
鹿児島・髙﨑剛史(黒毛和種雌、31カ月齢、A5、枝肉重量543.0kg、歩留基準値83.7、BMS12)キロ単価5576円・(株)丸富商店。
◆優秀賞
(有)菊地畜産(黒毛和種雌、32カ月齢、A5、枝肉重量421.0kg、歩留基準値80.9、BMS12)キロ単価3085円・(株)吉澤畜産。
ほか優良賞4点。
〔交雑種の部〕
◆最優秀賞
神奈川・(株)湘南ファーム(交雑種雌、26カ月齢、A5、枝肉重量575.0kg、歩留基準値75.6、BMS10)キロ単価2202円・(株)ミートナイトウ。
◆優秀賞
栃木・神田ファーム(交雑種去勢、28カ月齢、B5、枝肉重量604.0kg、歩留基準値70.2、BMS9)キロ単価2002円・乙川畜産食品(株)
ほか優良賞1点。
〈畜産日報2023年7月10日付〉