カナダビーフ・カナダポーク共催「カナダミートセミナー」、日本市場に向けてカナダ産食肉の優位性をアピール
カナダビーフとカナダポーク共催の「カナダミートセミナー」が9月21日、東京都港区の在日カナダ大使館で開かれた。
カナダから来日した関係者をはじめ、国内流通事業者ら約350人が参加した。当日は、カナダビーフ/ポークがともに重要な輸出先と位置づける日本市場に向けて、カナダ産食肉の優位性を改めてアピールした。
開催にあたり、カナダビーフのマイケル・ヤングプレジデント、カナダポークのトレバー・シアーズプレジデント&CEOがそれぞれあいさつした。
ヤング氏は次のように述べた。
「1989年にカナダビーフ輸出連合会がここ東京に初の海外事務所として設立された。日本はカナダビーフにとって重要な輸出市場であり、輸出数量・金額ともに第2位の市場だ。2023年1~7月までの対日向け輸出量は2万7,235t、輸出額は2億300万カナダドルに上っている」
「ここ数年の世界の経済変化は厳しいものとなり、天候や家畜疾病、生産コストの上昇などが世界の食肉貿易に影響を及ぼしている。世界の牛肉、豚肉生産量は減少に転じつつあり、これは今後数年間、継続するものとみられる。しかし、世界人口や所得、動物性たんぱく質への需要は依然として旺盛で、今後も増加が見込まれる」
「こうしたなか、我われはカナダ産牛肉の生産システムの誠実さや、一箱一箱に込められた品質と技術に誇りを持っている。また、日本の消費者の原産地や生産者に対する意識の高さには敬意を表している。カナダポークとともに開催する今回のセミナーでは、カナダ産牛肉が日本市場にもたらす価値について、重要な示唆を与えてくれると期待している。カナダビーフは日本を優先市場と考えており、さらなる拡大に向け、全力を尽くしている」
続いて、カナダポークを代表し、シアーズ氏が次のように述べた。
「本日は豚肉産業における日加両国の変わらぬパートナーシップを祝うことができ、大変光栄に思う。カナダの豚肉が日本市場に参入したのは1968年のことになる。ここ数年は、業界にとって多くの困難に見舞われたが、カナダと日本は信頼と互いを尊重し合う強固な関係を続けている。この豚肉産業の成長における協力関係は、品質、安全性、持続可能性という共通の価値観の証だ」
「今回は、カナダの豚肉産業の土台を支える多くの生産者と来日した。カナダ産豚肉は、彼らの情熱と技術によって最高水準の品質で生産され、おいしさだけでなく、安全性やトレーサビリティ、持続可能性も保証されている。最高品質な商品を求める、日本の皆様のご要望は、我われがイノベーションを起こし、より良い商品を提供する原動力となっている。将来に向けて、強固なパートナーシップを続けていくことに期待を寄せている。おいしく、高品質で安全、トレーサビリティのとれた豚肉を、日本の皆様に提供し続けていくことを約束する」
〈カナダビーフ国際機構・清冨駐日代表「今後もでき得る限りのサポートを」、カナダポーク・野村日本マーケティングディレクターが退任、後任に木村氏〉
セミナー後のレセプションでは、カナダビーフ国際機構の清冨一郎駐日代表、カナダポークの野村昇司日本マーケティングディレクターがそれぞれ主催を代表してあいさつした。清冨氏は「今回初めて、カナダポークと共催でセミナーを開催することができた。また、カナダ・アルバータ州政府、カナダ大使館にも協力いただき、こうして“チーム・カナダ”でイベントが開催できたことを大変嬉しく思う。食品業界では厳しい状況が続くなか、我われとしては、でき得る限りのサポートをさせていただく」と引き続き万全のサポートをしていく姿勢を示した。
野村氏は「今回はカナダから豚肉生産者が来日しており、この一週間、日本市場を視察した。カナダ産豚肉がどうやって販売されているかを実際に見ることで、ますます日本市場に対して、安心安全で質の高い豚肉を生産していく、という気持ちを新たにした」と述べた。
さらに、野村氏は9月末をもって退任することを発表し、「食肉業界で45年を過ごした。このうち、カナダポークで13年3カ月、カナダビーフで8年9カ月と、22年間にわたり、カナダの食肉業界に携わった」と振り返り、後任に木村憲氏マーケティングマネージャーを紹介した。
野村氏のこれまでのカナダ食肉業界への貢献を称え、カナダポークのシアーズ氏、ハンス・クリステンセンチェアーマン、カナダビーフのヤング氏から感謝の言葉とともに、記念の楯が贈られた。
〈畜産日報2023年9月26日付〉