JA全農「農協ウインナー」「農協ロースハム」発売、農協シリーズ初の畜肉加工品、牛乳、卵などとクロス販売を提案
JA全農とJA全農ミートフーズはこのほど、「農協シリーズ」から初の畜肉加工品「農協ウインナー」「農協ロースハム」を発売した。
農協シリーズの鮮やかなオレンジ色が目を引くパッケージデザイン。製造はJA全農ミートフーズ高崎ハム工場(群馬県高崎市)で、JA高崎ハム時代から受け継がれてきた伝統製法と、原料もJAグループの契約農家が育てた国産豚肉にこだわった。
全国のAコープ、量販店向けに販売し、「農協牛乳」をはじめとした同シリーズ商品とのクロス販売や、農協シリーズと親和性が高い朝食をテーマにした売り場を提案していく。
JA全農では近年、発売50年以上のロングセラー「農協牛乳」(発売元:協同乳業)のシリーズ化を進めており、すでに、「農協珈琲」「農協ヨーグルト」「農協ミルク」「農協たまご」「農協ごはん」を発売している。今回、さらなる国産農畜産物の訴求と販売拡大の一環として、同シリーズ初の畜肉加工品を発売した。
高崎ハム営業本部加工品課の上岡正治次長によると、原料の豚肉は、JAグループの契約生産者が育てた豚を使用。仕上げ期に麦類を給餌したことで、さっぱりしながらも深い味わいの肉質の豚肉に仕上げたという。
さらに、製造工程では、高崎ハム工場が80年以上培ってきた製法・ノウハウを生かして豚肉本来のうま味を引き出し、食肉加工に最も合うとされる山桜のチップでスモークすることで香り豊かに仕上げた。
JAS特級の「農協ウインナー」は、デンプンなどの結着材料を使用せずに仕上げることで、豚肉本来のおいしさとジューシーさを感じることができるようにした。研究を重ねた結果、甘味料に北海道産てんさい糖を使用することで、幅広い層に受け入れられる甘みを表現したのもこだわりのひとつ。また、「農協ロースハム」は、JA高崎ハム時代から高い支持を得ているギフト「谷川岳ロースハム」の製法に基づいて作られ、一般的なロースハムに比べて加水率が低いため、肉本来のしっとりとした食感が口のなかに広がるのが特徴だ。
内容量は、ウインナーが1パック当たり100g、ロースハムが1パック当たり57g。より多くの消費者に楽しんでもらおうと、販売価格(参考価格)はそれぞれ321円(税込)に設定した。
発売開始に先立ち、9月6日から7日にかけて大阪市で開かれた展示会「フードストアソリューションズフェア2023」で紹介し、北海道産てんさい糖を使用したことによる、えぐみのない優しい甘みや、国産原料の安心感、そして農協牛乳をはじめとする農協シリーズへの信頼感、売り場が映えるパッケージデザインなど、高い評価を得たという。
今後は、全国のAコープや量販店などへ農協シリーズ商品とのクロス販売を提案していく。とくに、農協牛乳や農協たまご、農協ごはんともに「国産食材で朝から元気を!」といった朝食をテーマにした販促企画も可能だという。また、2024年2月に開かれる「スーパーマーケットトレードショー2024」にも出展する予定だ。
JA全農ミートフーズによると、農協牛乳を販売している流通企業からは、ほかの畜肉加工品でのシリーズ化を求める声が寄せられているという。「まずは、ウインナーとロースハムの2品を、しっかりと発売し、今後、どんな商品がマーケットに受け入れられるか検討したうえで、商品化を進めていきたい」と高崎ハム営業本部荒井誠部長。前出の上岡次長も「80年以上にわたって地場に根付いて培ってきた伝統製法で作り上げている。今後は地場だけなく全国に発信することで、多くの方においしさを味わっていただきたい」と期待を込めている。
〈畜産日報2023年10月11日付〉