石垣牛流通協議会、島内消費から全国へ「石垣牛」の販売網を拡大【食品産業技術功労賞】
石垣島は、その温暖な環境を背景に優れた和牛仔牛の産地と知られ、全国の銘柄牛の生産者が肥育素牛を購入している。生まれた仔牛の大部分が島外へ出荷されるなか、地元で肥育された「石垣牛」は、観光客向けに島内で消費されており、限られた地域内で需給バランスが取られていた。
ところが、新型コロナ禍で島内需要が喪失し、需給バランスが大きく崩れてしまった。日本最南端の銘柄牛を絶やしてはいけないと、首都圏の流通事業者ら有志が流通協議会を創設、需給の安定に向けて首都圏での販路を開拓し、「石垣牛」を全国ブランドに育成する活動を展開している。
協議会は百貨店や高級量販店、ホテル・旅館業、食肉卸売業者など27社・41店舗で構成。チェックオフ制度で運営し、島内需要を育てつつ、「JA石垣牛統一マーク」やパンフレットの発行を通じて「石垣牛」のおいしさの秘けつや生産工程の優位性、生産者のこだわりを訴求している。今後は消費者交流会なども開くことで、さらなる銘柄化と需要開拓を進めている。
この『島内消費から全国へ「石垣牛」の販売網を拡大』は、第53回 食品産業技術功労賞「地域創生部門」を受賞した。
なお「食品産業技術功労賞」は、食品産業新聞社が1971年から実施する顕彰事業。食品産業の発展に著しく貢献した企業、または個人、団体を顕彰するもの。部門は、「商品・技術部門」「資材・機器・システム部門」「マーケティング部門」「サステナビリティ部門」「国際部門」「地域創生部門」の6つがある(2023年時点)。
「第53回 食品産業技術功労賞審査」の選考委員(敬称略)は、一般財団法人食品産業センター理事長 荒川隆、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門所長 髙橋清也、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事国立健康・栄養研究所所長 瀧本秀美、独立行政法人酒類総合研究所理事長 福田央、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 森下興、日本チェーンストア協会専務理事 牧野剛、食品産業新聞社代表取締役社長 馬上直樹。
〈食品産業新聞 2023年12月4日付より〉