ZIPAIR Tokyo、成田空港発シンガポール線、米国線限定で和牛肉を販売
〈煩雑な輸出検疫手続きを代行、ストレスフリーな買い物スタイルを実現〉
(株)ZIPAIR Tokyo(千葉県成田市、西田真吾社長、以下ZIPAIR)はJA全農ミートフーズ(株)(東京都港区、中村哲也社長、以下全農MF)、(株)JALカーゴサービス(千葉県成田市、森本義規社長、以下JALカーゴ)と連携し、成田空港発シンガポール線、米国線限定のオプショナルサービスとして、1月31日から和牛肉の販売を開始した。
ZIPAIRは日本航空(株)の100%出資によって2018年7月に設立された、日本初の中長距離国際線LCC(格安航空会社)。現在、成田空港から8路線を運航し、3月からバンクーバー線も就航する。今回、農林水産物・食品の輸出拡大に取り組む全農MFと、成田空港に隣接する成田市公設地方卸売市場(以下、成田市場)を活用した新たな商流・物流の創出に取り組むJALカーゴと連携し、和牛肉をお土産として海外へ持参することができる新たなサービスを提供する。全国の生産者からの和牛肉調達を全農MFが、成田市場での和牛肉の保管・梱包、輸出検疫手続き、成田空港チェックインカウンターへの運搬をJALカーゴが担う。
従来、和牛肉を旅客携帯品(手土産)として海外に持ち出す場合、〈1〉手土産として適量の購入ができない〈2〉輸出に係る公的書類取得が難しい――という課題があった。前者については、米国の場合、1ケース20kg・60万円相当での販売に加え、輸出食肉取扱施設で封印したものを国内で開封した場合には輸出ができなかった。また、後者では、購入者自身で食肉衛生証明書付きの和牛肉を購入し、空港の動物検疫所に現物を持参、輸出検査を受検し、輸出検疫証明書の取得が必要だった。
こうした課題を踏まえ、昨年12月21日付で「米国向け輸出食肉取扱要綱」が改定され、国内での封印の開封が可能となり、小分けで販売ができるようになった。また、今回のサービス導入により、全農MFが食肉衛生証明書付きの和牛肉を調達し、JALカーゴが輸出検疫証明書の取得を代行することで、ストレスフリーな買い物スタイルを実現した。具体的には、成田空港発シンガポール線、米国線の搭乗者が搭乗便出発の48時間前までにZIPAIR公式サイトで和牛肉を注文・決済し、出発当日にチェックインカウンターで商品を確認、手荷物として預入れするだけとなり、煩雑な公的書類取得は事業者がすべて代行する。
対象路線は、成田空港発シンガポール線、米国線(ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンノゼ、ホノルル)。ZIPAIR公式サイトにて、全国の生産地から厳選したA5ランク和牛肉(現在は主に鹿児島県産)を販売している。現地で販売されている同等クラスの価格に比べ、20~30%程度安価に購入することができるという。商品ラインアップは、▽シンガポール線(規定により1人あたり最大5kg)=ステーキ用ロース1kg・税込み2万5,900円、1.5kg・3万8,800円/しゃぶしゃぶ・すき焼き用ロース1kg・2万5,900円、1.5kg・3万8,800円▽米国線(同22.6kg)=ブロックロース1.2kg・3万7,700円、3.6kg・10万6,800円――。
これまで、和牛肉の旅客携帯品(手土産)としての輸出実績はシンガポールで数件、米国に至っては実績がなかったという。サービス開始にあたり、1月24日からZIPAIR公式サイトで予約販売を開始したところ、31日の出発便で米国線2件、シンガポール線1件の予約があり、同日の出発便から和牛肉の販売が開始された。
〈畜産日報2024年2月2日付〉