サニーサイドとUSMEFが石川県穴水町兜小学校で被災者支援の炊き出しを実施、24日にはハンバーグをのせたビーフカレー、25日はポーク生姜焼きと豚汁を提供
石川県の食肉卸(株)サニーサイドと米国食肉輸出連合会(USMEF)は2月24日と25日、各パッカー、石川県庁の支援を受け、令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた穴水町で被災者が避難している旧穴水町兜小学校で炊き出しを行った。
2月24日にはパッカーから支援された米国産ビーフを使ったカレーライスにハンバーグをのせたハンバーグカレー、2月25日は同じくパッカーから支援された米国産ポークを使った生姜焼きと豚汁を振舞った。
ハンバーグはスターゼンから「ふっくらやわらかハンバーグ」が提供された。サニーサイドとUSMEFは今後も継続して支援活動を行っていく。炊き出しには、サニーサイドの中田光信専務、金澤正紀取締役、太田有彦次長、USMEFは加藤悟司ジャパンディレクターとスタッフの皆さん3人が参加した。
避難所を担当する石川県庁の村上勝代表監査委員によると、旧兜小学校にはピーク時には200人ほどの住人が避難していたが、現在は約70人前後となっている。エアーベッドが60台設置され、避難者は床に直接寝ることはなくなったという。
一方で水道が回復していないことから、避難所には自衛隊をはじめ、各県から派遣された給水車が複数台設置され、町内の被災者が絶えず水を求めて訪れていた。当初は地元消防団が給水を担っていたが、現在は、団員自身の家の片づけ作業などに当たるため自衛隊や各県から派遣された給水車・担当者が給水作業を行っている。なお、下水ではなく集落排水だったことで、トイレの水は流せる状態だった。避難者が過ごす体育館には大型の送風機が2基設置され、快適な温度に保たれていた。ただ、村上代表監査委員は、「災害対策は進み始めたものの、復興にはまだまだ」と話している。
金沢から穴出町に通じる自動車専用道路「のと里山海道」は穴水町の手前・越の原インターチェンジまで通ることができる(途中からは奥能登方面へ行く片側1車線のみ開通)。しかし、いたるところで片側の道路が崩落や陥没しており、山側に作られた迂回路などでやっと通ることができた。これが完全に復旧するには、相当、時間がかかるとみられた。サニーサイド、USMEFの一行と避難所のスタッフ(元給食調理員)が作成したハンバーグ入りカレーライスは正午から提供が始まり、自宅の片づけなどから戻った避難者を含め100人近くが牛肉たっぷりで、やわらかなハンバーグがのった温かいカレーを味わった。
食べ終えた避難者からは「久しぶりの温かいカレーがおいしかった。ハンバーグも柔らかくておいしかった」と、スタッフに声をかけるなど好評だった。USMEFの協賛パッカーは、ナショナルビーフ、タイソン、JBS、シーボード、スミスフィールド、ジョンソンビル、カーギルなど。またスターゼンは、今回の分を含めて「ふっくらやわらかハンバーグ」を50ケース(約2,900人分)をサニーサイドに提供した。サニーサイドとUSMEFは3月も炊き出しを実施する方向で調整している。また、USMEFは、(株)牛若を通じて各パッカーの食材を提供する取組みも行っていく。
〈畜産日報2024年2月28日付〉