池袋東武&東京家政大で産学連携企画「チャレンジ・ザ・グルメ 2024」開催中、フードテックワンが協賛、プラントベースフード使ったメニュー47品が一堂に
東武百貨店池袋本店(東京都豊島区)と東京家政大学(東京都板橋区)はことし6月から産学連携企画「チャレンジ・ザ・グルメ 2024~未来のグルメにチャレンジ~」を実施している。同大で栄養学を学ぶ51人の学生が考案した新メニューを、「レストラン街スパイス」の各店で提供するもの。今回は健康意識の高まりや食の環境負荷への解決策として注目されている「プラントベースフード」をテーマに、ハンバーグプレートやオムライス、ティラミス風プリンなど、学生のアイデアを生かしたメニュー47品が、11月1日から12月1日まで43店舗で提供されている。消費者にプラントベースフードのおいしさを知ってもらい、身近な食材であることを実感してもらう絶好の機会といえる。
昨年の「チャレンジ・ザ・グルメ」は、チーズをテーマにメニュー開発した。今回は、代替食品やフードテックの開発を手掛ける(株)フードテックワン(池本俊紀社長)が協賛し、「NIKUVEGE」(Tastable)や「デリプランツ」(ADEKA)など22種類の「プラントベースフード」を提供した。
今月からの販売開始に至るまで、学生らは約半年間の時間をかけてメニュー開発に取り組んだ。ことし5月までに同企画に参加したい学生を募り、参画する43店舗との組み合わせを決定。6月上旬にフードテックワンの参画企業がブースを出して各々のプラントベースフードをプレゼンテーションした。学生と各店舗の店長は、新メニューを想定しながら試食・比較を行い、使用する“素材”のイメージを膨らませた。その後、7月上旬から8月下旬にかけて、学生と各店舗がメニュー開発に向けて打ち合わせを実施。9月上旬に学生による新メニューのプレゼンが行われ、それをベースに9月中旬まで各店舗で新メニューの試作が行われた。
こうして完成したメニューは、学生ならではの発想と各店舗のプロのアドバイスが融合したバラエティ豊かなものとなった。このうち、「植物由来!!ダブル濃厚チーズハンバーグプレート」(販売店:Old Manhattan)は、肉とチーズをはじめすべてを植物由来の素材を使用した、おいしく満足感が得られるハンバーグプレートに仕上げている。「野菜のボローニャ風ラグーソース」(リストランテマキャベリ)では、牛肉の代わりにプラントベース肉3種類を使用したほか、植物性ホイップチーズなど合計8種類ものプラントベースフードを組み合わせた、野菜のうま味を存分に楽しむことができるボロネーゼ。そのほか、植物由来素材だけにこだわらず、卵や肉、魚など動物由来の素材と組み合わせたメニューもラインアップしている。
各店舗のメニュー表や特設サイトでは、使用しているプラントベースフードとともにメニュー開発のポイントを紹介している。フロアに掲示しているPOPでは、「サステナブルな美味しい未来!」と称して、プラントベースフードが地球と環境、体に優しい食材であることを訴求している。
フードテックワンの池本社長(双日リテール・コンシューマーサービス本部リテール事業第二部部長)は、「今回の『チャレンジ・ザ・グルメ2024』の協賛は、昨年12月に当社が設立して以来、最大の企画となる。プラントベースフードを使ったメニューを、それぞれ独立した43店舗が一斉に提供するのは非常に画期的といえる。しかも、学生と店舗側の店長は、それぞれ貴重な夏休みや営業中の時間を使ってメニューを開発していただいた。学生のアイデアと各店舗の店長のサポート、そしてフードテックワンの参画企業の素材と、皆が協力してこのような形にしたことは非常に素晴らしいこと」と説明する。
そのうえで、「これらのメニューは、単に素材を植物由来で置き換えたものではなく、新たな食感や風味を演出することで、まさに“未来のグルメ”として、新しい価値や食べる喜びなどを提供していることに大きな意味がある。消費者もこれらのメニューを楽しんでいただき、どのような素材を使っているのか、関心を持ってもらえればと思う。将来的にメニューや素材の選択肢としてプラントベースフードが広がっていき、かつそれがサステナブルや地球・環境に良いことにつながっていけば」と期待感を示した。今後は、フードテックワンとして、ヨーロッパでの展示会や、北米・アジアでのプラントベース食材の販売を加速化していく方針だ。
〈畜産日報2024年11月18日付〉