〈第47回食品産業技術功労賞〉雪印メグミルク「6Pチーズ」の新たな食べ方提案

発売は1954年。若年層ファミリーの取り込みを目的に、これまでそのまま食べていた6Pチーズの新たな食べ方提案として、食材でデコレーションする「つくロッピー」を16年3月、焼いて海苔などを巻いて食べる「焼きロッピー」のプロモーションを同11月から大々的に展開し、若年層の関心を掴んだ。ホットプレートで焼いての店頭試食は、流通からの評判も良く、スーパーのチーズ売り場活性化に一役買う場面も。

今年は「焼きロッピー」のBBQ編でアウトドアシーンも掘り起すなど、家族イベントで6Pチーズの新しい食べ方がじわじわと広がり、基幹のプレーンだけでなくフレーバー品の売り上げも好調に推移している。

そのまま食べてもおいしい6Pチーズに「焼いてもおいしい」という新しいバリューを付与したことで、ヒット商品のさらなる成長ステージへ踏み出したといえる。今秋は、茨城・阿見工場に設備投資し、発売以来、開封シールを開けやすく改良する歴史的な包材変更を行い、熟年層も開けやすくなったことで、ユーザーの満足度も高まって、売上拡大を後押ししている。108g(6個入)、税別345円。

雪印メグミルク 乳食品事業部チーズグループ 福田哲也氏

雪印メグミルク 乳食品事業部チーズグループ 福田哲也氏

〈若い親子の取り込みが狙い〉

6Pチーズは50代以上のロイヤルユーザーが多い一方で、若年層のウエイトが低いことが課題。幼稚園から小学校低学年の子供を持つお母さん層をターゲットにした、新しい切り口のプロモーションで、新しいファン作りをしようと「つくロッピー」を始めました。テレビCMを取り組みの核としつつ、クックパッドでレシピコンテスト、フェイスブック上でカレンダー形式の投稿など、SNS中心の施策で若年層の関心を取り込むことに注力しました。

「つくロッピー」のキャラクターは世に出ていないものも含めると300です。「焼きロッピー」は、「つくロッピー」のシンプルでかつ美味しいメガレシピ1つに絞り込んだもので、店頭展開の強化を目的に試食販売対策と連動させて実施。ホットプレートでチーズを焼くことが一般的では無いことから、派遣会社と試食オペレーションの検証を入念に行い展開、流通から好評を頂き販促増につながりました。うまく焼ける理由は乳化の技術にあります。

キャンペーン景品の焼きロッピーメーカーは、開発に半年以上かけ、反響もあり、焼きロッピーの一定の認知獲得を実現。今年は焼きロッピーBBQ編を仕掛け、シーンを特化することに不安はありましたが、近年のBBQ人気を背景に予想以上反響があり一定の効果はあったと考えています。

焼きロッピーの認知率は、ターゲット層のまだ半分位ですが、プロモーションとしての伸びしろでもあると、今後も注力する構えです。

〈食品産業新聞2017年12月4日付より〉