日本のナチュラルチーズが世界へ進出、史上初、国際大会に30品の本格出品/ワールド・チーズ・アワード2019

ワールド・チーズ・アワード2019に出品される日本産ナチュラルチーズの例
〈日欧EPA発効で国際競争力強化が急務に〉
チーズプロフェッショナル協会(CPA)は、北海道から九州のチーズ工房の中から18工房の優れたナチュラルチーズ30品を、10月18日にイタリア・ベルガモで開催される世界最大級国際チーズコンテスト「ワールド・チーズ・アワード2019」に出品する。国際チーズコンテストへの日本の本格的な出品は“史上初”だという。

背景には、今年2月にEUとの経済連携協定(日欧EPA)が発効され、日本の工房チーズが岐路に直面し、国際競争力強化が急務となっていることがある。3月に日本からEUへ日本産乳製品を輸出することが可能となったことが、今回の出品の後押しにもなっており、「特例」で認められた。CPAが農水省協力の下、同アワードへのエントリーや動物検疫関連業務の手続きや渉外など、日本チーズ出品を全面的にサポートする。

出品するチーズは、2年に1度日本で開催の「ジャパン・チーズ・アワード」の2018年入賞作品など選りすぐりの30品。作り手の技術が年々上がり、塩分が強すぎずかつヨーロッパ伝統のチーズに引けをとらないレベルの高さに、日本のチーズの位置づけが上がっており、コンテストでその品質レベルを競い合う。

出品するチーズは以下の通り。

〈北海道〉
▽ニセコチーズ工房「ニセコ ku:(空)、ニセコ sekka(雪花(ゆず))」
▽あしょろチーズ工房「十勝ラクレットモールウォッシュ、ころ」
▽冨田ファーム「ジャパンブルー おこっぺ、煌(こう)」
▽プレスキル・フロマージュ「プレスキル・フロマージュ ハーブ&オイル」
▽共働学舎新得農場「笹ゆき」
▽チーズ工房タカラ「タカラのタカラ、タカラのトケル」

〈長野県〉
▽アトリエ・ド・フロマージュ「ココン、ブルーチーズ」
▽ボスケソチーズラボ「SHIRAKABA、KARAMATSU」

〈栃木県〉
▽チーズ工房 那須の森「森のチーズ」
▽那須高原 今牧場「りんどう、茶臼岳」

〈東京都〉
▽フロマージュ・デュ・テロワール「ドーム、フルム・ド・ドーメ」
▽CHEESE STAND「リコッタサラータ、燻製カチョカヴァッロ」

〈千葉県〉
▽チーズ工房 千「うぶすな」

〈広島県〉
▽三良坂フロマージュ「フロマージュ・ド・三良坂シェーブル、花かご(牛)」
▽チーズ工房 乳ぃーずの物語。「雪子、カチョカバロ」

〈佐賀県〉
▽ナカシマファーム「ブラウンチーズ」

〈熊本県〉
▽阿蘇ミルク牧場「あそ野」

〈宮崎県〉
▽ダイワファーム「ロビダイワ、ジンゼ」

なお、CPAは「ワールド・チーズ・アワード2019」と同時開催の業界関係者向けトレードショー(10月17、18日)にもブース出展し、EUに向けて日本のチーズの魅力や作り手の想いを発信する。