〈新型コロナ〉一斉休校で苦境の牛乳、割引やレシピ紹介など購入支援の動き広がる

新型コロナ対応の一斉休校で牛乳の購入支援の動きが拡大(オイシックス・ラ・大地提供 イメージ画像)
新型コロナウイルス感染拡大による小中学校一斉休校で、給食向け牛乳の供給先が問題化する中、食品宅配のオイシックス・ラ・大地が3月5日から特定の牛乳の30%割引販売をスタートした。

また、コンビニエンスストア大手のローソンは、3月9日から20日までの期間限定、「マチカフェ」ブランドの「ホットミルク」(税込130円)を半額の65円で、「カフェラテ」(150円)を30円引きの120円で販売を予定しており、割引による牛乳購入促進、支援の動きが広がっている。

オイシックスの宅配は、有機や特別栽培野菜などを扱い、幼児や小中学生をもつ家庭などを顧客として広く取り込んでおり、牛乳の3割引きは家庭内で食事する回数が増える中で朗報であり、深刻な酪農現場の状況を伝えていくという側面からも意義深い。

3割引きする牛乳は、三重県四日市市の四日市酪農の「鈴鹿山麓牛乳」(1000ml)。鈴鹿山麓の5戸の酪農家が、遺伝子組み替えしていない飼料で育てた牛から搾乳した生乳のみを使用しており、搾乳したての生乳を牧場近くの工場でパックしている鮮度、低温殺菌によるフレッシュな味わいが特徴となる。標準売価は税抜282円、これを3割引きの197円で販売している。

オイシックス・ラ・大地の広報によると、5日は販売開始後、注文が殺到し「予定数量の注文が2時間でいっぱいになり、現在追加で受け付けている」。割引販売は、給食牛乳の仕向け先問題が生じた時から、学校の春休みが終わるくらいの3週間程度を、もともと予定しており、事態終息までの状況次第で今後判断していく。

オイシックス・ラ・大地は、同社取引先のうち給食用の牛乳も製造する生産者や乳業メーカーなどに問い合わせ、供給先に困っている場合は、同様に割引販売を順次広げていく方針だ。

なお、割引で購入促進・支援する動きのほか、牛乳を使った料理で消費量を増やす動きも政府・団体・企業の間で広がっている。レシピ検索サービスでは、国内最大手の「クックパッド」が「牛乳大量消費のレシピ」を掲載。また、「ナディア」はトップページで「牛乳レシピコンテスト」(募集3月末まで)を告知するなど、消費量拡大の動きが日に日に高まっている。