〈サステナビリティ特集〉ネスレ日本、顧客の問題解決でCSVを推進
〈コーヒーマシンを超えた存在〉「見守れる」新IoTサービス
ひとつは、コーヒーマシンで離れて暮らす大切な人を、より自然に「見守れる」サービスだ。これは、「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタi[アイ]」と、専用タブレットをセットにした新IoTサービス「ネスカフェコネクト」(17年9月5日開始)である。
タブレット画面にいる「エージェント」(ソニーモバイルコミュニケーションズが開発)に話しかけるだけで、コーヒーを淹れることができるのはもちろん、離れて暮らす家族とのメッセージ送受信(LINEアカウント使用)や、情報検索などを行える。「エージェント」との対話は孤独の解消にもつながるだろう。入力が不要なので、スマートフォンなどを持っていない高齢者も利用しやすい、日本が独自に開発した新サービスだ。
実証実験が行われていた長野県小谷村では、安否が簡単にわかることから、利用者やその家族だけでなく、高齢者宅を訪問する介護士やヘルパーからの評判も非常に良かった。このサービスの金額は月額500円+コーヒー代(飲んだ分)のみ。高齢化社会や少人数世帯増加による孤独化という現実に対応したサービスだ。
〈「抹茶」で手軽に健康習慣〉自分に大切な栄養補える新サービス
ふたつめは、家庭でもオフィスでも「抹茶」で健康習慣を手軽に始められる栄養・健康サービスの「ネスレ ウェルネスアンバサダー」だ。日本人の寿命は延びているが、健康寿命はこの10年あまり伸びていないことに着目した取り組み。顧客が自分に不足しがちな栄養を、同社ウェブサイトで簡単にチェックすることができ、ポリフェノールが豊富な抹茶にビタミンやミネラルを加えた専用カプセル「ネスレ ウェルネス抹茶」の中から、お勧めの種類を教えてもらえるという点も差別化ポイントだ。
定期購入などの一定条件を満たせば、抽出マシンの「ネスカフェ ドルチェ グスト」が無料で使用でき、17年3月の開始時からオフィスや家庭で利用者が大きく増えた。
17年秋からは、外出先でも栄養を手軽に補える「ウェルネスキットカット」(4種類)を発売予定。栄養・健康・ウェルネスのリーダー企業を目指す同社ならではの取り組みだろう。
〈食品産業新聞 2017年10月16日付「サステナビリティ特集」より〉
「ネスレウェルネスアンバサダー」は利用者が増加中