“透明”で注目の「コカ・コーラ クリア」 25年前の「タブクリア」との違いとは?
日本コカ・コーラ社のコカ・コーラTMグループ石井純グループマネジャーは、「夏の時期は、冬に比べて炭酸飲料を飲まれる量が1.5倍になり、炭酸飲料ユーザーも約500万人増加する。透明にこだわった爽やかな味覚の新商品で夏の炭酸市場を盛り上げたい」とする。
「コカ・コーラ クリアの導入背景」(日本コカ・コーラ)
〈技術力向上で実現した「ブランドにふさわしい味わい」〉
コカ・コーラ社は、以前にも透明なコーラ飲料として「タブクリア」を、92年に米国で、93年には日本でも発売したが定着しなかった。
石井氏は、「当時は“タブ”というブランドから透明なコーラ飲料を導入していた。“コカ・コーラ クリア”は、25年前とは違う価値が提供できると思うし、消費者のニーズも変わってきており、当社の技術力も相当上がっている。今年初めて、コカ・コーラブランドから発売するのにふさわしい透明炭酸の味わいを実現できた。25年前とは全然違うものとなっている」とした。
「日本の炭酸飲料市場は、ますます多様化」(日本コカ・コーラ)、「クリア」は左下の「コア市場・情緒価値重視」エリアに位置するという
〈消費者ニーズの変化に応え、飲用シーン拡大をねらう〉
通常の「コカ・コーラ」は、どうしても楽しさのイメージが強いため、リラックス時や休日に飲まれるケースが多いが、透明にすることで仕事中や運動の後など、飲用シーンの広がりが期待できるという。
石井氏は、「仕事中は水やお茶など、薄い味の飲料を飲まれる方が増えている。“コカ・コーラ”は、いいところでもあり障壁でもあるのだが、楽しさや遊びのイメージがあるため、真面目な仕事をしている時に飲むのには向かないと思われている方も少なくない。それが透明炭酸になることで障壁が少し払拭され、飲用機会が増えるのではないか」と話した。女性層にも気軽に手に取ってもらい、炭酸ユーザーを拡大するねらい。
日本の炭酸飲料市場は多様化が進んでおり、差別化するためにはイノベーションが必要になる。同社は通常品に加え、昨春からはトクホの「コカ・コーラプラス」、今年は1月にフレーバーの「コカ・コーラ ピーチ」、4月には凍らせて楽しむ「コカ・コーラ フローズン レモン」を相次いで投入し、ブランド全体で前年を上回る実績で推移している。透明な飲料が市場に増える中、メジャーブランドの挑戦は成功するか。
〈酒類飲料日報 2018年6月7日付より〉
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