伊藤園「お~いお茶 カフェインゼロ」発売、シリーズ初の“カフェインゼロ”、先行する「キリン 生茶デカフェ」はリニューアル
近年、健康志向の高まりから、カフェインレス・ゼロの食品市場は年々拡大し、直近5ヵ年で27%増と好調に推移している(富士経済調べ)。その中には、緑茶を飲みたいが、カフェインの摂取を控えたいという妊娠中や子育て中の女性、小さな子どもなども含まれるという。
「お~いお茶 カフェインゼロ」は、茶葉の加工工程にカフェイン量を抑えた国産原料茶葉(無香料・無調味)を使用。さらに抽出工程において工夫を施すことでカフェインゼロの緑茶飲料を実現した。抽出工程までにカフェイン量を抑えることで、抽出液(お茶)を加工しないため、カフェインゼロでありながら茶葉本来の香りと味わいを楽しめることが特徴。
妊娠中の女性や小さな子どもなど、やむを得ずカフェインを控えなければいけない人々にも、緑茶の味わいや健康性を提供していく考えだ。
伊藤園は、「“お~いお茶”は、発売以来さまざまな進化を遂げ、常に多様化する嗜好やニーズに対応してきました。今回、“お~いお茶 カフェインゼロ”を発売することで、新たなお茶の可能性を広げるとともに、お茶が人々の暮らしにおいて“より身近な飲み物”となるよう、挑戦し続けてまいります」とする。
緑茶のカフェインゼロで先行しているのは、キリンビバレッジの「キリン 生茶デカフェ」(430mlPET/140円税別)だ。2014年4月に世界初となるペットボトル入りカフェインゼロ緑茶飲料を発売以降、好調な販売を続けている。今年は、茶葉の火入れと抽出温度を見直し、緑茶の香りがより引き立つ味わいにし、7月7日からリニューアル発売する。
「生茶デカフェ」再生ペット樹脂を100%使用した“R100ペットボトル”を採用
キリンビバレッジによれば、カフェインゼロ市場は拡大を続けているが、カフェイン忌避意識は40代以上の女性でも上昇しており、妊産婦以外にもカフェインゼロ飲料のニーズが高まっているという。
また、コロナ禍の外出自粛期間において、カフェインを摂取する機会は増えている。キリンが行ったアンケートでは、回答者の約2割が自宅でコーヒーや紅茶を飲む機会が増えたことにより、カフェインを摂取する機会が増加したと回答している(キリンホールディングスが今年5月行った全国7516名対象のインターネット調査)。
一方、医療機関でのカフェインの平均個人指導件数は、1施設あたり週に約7回あるという((株)ファンデリー調査)。
キリンビバレッジは、今年の「生茶デカフェ」の施策として、管理栄養士を通じてカフェインに関する相談者・患者に対し、7月に全国1000カ所、10月に全国2000カ所の医療機関において、総計約21万6000本をサンプリングする計画という。
コーヒーなどで注目されていたカフェインゼロ商品だが、大手飲料メーカーが参入することで緑茶飲料でも着実に浸透していきそうだ。