自販機横のリサイクルBOX、“ゴミ箱扱い”過半数、全国清涼飲料連合会が意識調査

リサイクルボックスに貼付されている啓発ステッカー
〈ゴミを入れた理由のトップは“捨てる場所がなかった”〉
普段、街中でペットボトルや缶以外のゴミが出た場合、どこで捨てるか。このほど実施された調査で最も多かった回答は「自動販売機の横にあるボックス」で、調査対象者の52.9%に及んだ。

自動販売機(以下、自販機)横のボックスは、自販機で購入された清涼飲料の空容器を回収するためのボックスで、リサイクル目的で設置されている。しかし、その設置理由が伝わっておらず、消費者の半数以上が街のゴミ箱だと認識しているようだ。

これは、一般社団法人全国清涼飲料連合会(全清飲)が、2020年9月25日~9月30日の6日間、1都3県の15歳~59歳の男女で、月に1日以上飲料の自販機を利用する人を対象に「リサイクルボックスに関する消費者意識調査」を実施し、1000名の有効サンプルを集計したもの。(調査協力機関=ネットエイジア株式会社)

冒頭の「街中でペットボトルや缶以外のゴミが出た場合、どこで捨てることが多いか」の問いで、「自販機の横にあるボックス」(52.9%)の次に多かったのは、「(捨てずに)家に持ち帰る」(52.0%)。以降、「コンビニのゴミ箱」(38.1%)、「駅のゴミ箱」(37.0%)、「大型商業施設内のゴミ箱」(22.5%)、「公園のゴミ箱」(11.2%)が続いた(複数回答形式)。

「普段、街中でペットボトルや缶以外のゴミが出た場合、どこで捨てることが多いか」(全清飲調査)

「普段、街中でペットボトルや缶以外のゴミが出た場合、どこで捨てることが多いか」(全清飲調査)

そして、自販機の横のボックスにペットボトル・缶・ビン以外のゴミを入れた理由については、「捨てる場所がそこしかなかったから」や「ゴミ箱が近くにみつからなかったから」という回答が多数を占め、そのほか「ポイ捨てよりはましだと思った」、「飲料の容器であれば何でもいいと思った」、「他のゴミも入っていた」などの声があったという。
 
〈4割強「リサイクルボックスだと知らなかった」〉
全回答者(1000名)に、自販機の横にあるボックスはゴミ箱ではなく、飲料容器専用のリサイクルボックスであることを知っていたか聞いたところ、「知っていた」は57.6%、「知らなかった」は42.4%。リサイクルボックスではなく“ゴミ箱”ととらえていた人が多いという結果になっている。
 
全国清涼飲料連合会によると、今回の調査は、生活者の本音や現状を把握するために実施したという。「自販機に設置しているリサイクルボックスは空容器をリサイクルするボックスです。ゴミ箱として利用されると異物が多くなり、リサイクルの妨げとなってしまうだけでなく、容器の散乱の原因にもなります」。
 
昨今、ペットボトルをペットボトルとして再生利用する“水平リサイクル”が進んでおり、このペットボトル資源循環のためには、回収したペットボトルの品質を向上させること、回収量を増やしていくことが課題となっている。
 
全国清涼飲料連合会は、リサイクルボックスがゴミ箱として使われないよう、引き続き啓発活動に取り組んでいく意向だ。