低温じっくり抽出の「UCC COLD BREW BLACK」発売、ペットコーヒーのニーズはコロナ禍で本格志向へ UCC上島珈琲
UCCによれば、コロナ禍における生活様式の変化に伴い、リモートワークなどで飲用シーンが多様化して自宅で過ごす時間が長くなり、コーヒーを飲む頻度が増加している。そのため、レギュラーコーヒーと同様に、ペットボトルコーヒーも本格的な味わいや香りにこだわりを求める傾向になっているという。
そこで、新製品「UCC COLD BREW BLACK」は抽出にこだわり、天然水100%で熱をかけずに低温で1.4倍の時間をかける“低温じっくり抽出”を採用し、高温抽出では揮散してしまう香りを閉じ込める工夫をした。原料はレギュラーコーヒーを100%使用。香料無添加。
同社がペットコーヒーに注力する理由は、味覚ニーズの変化だけではなく、市場が拡大していることもある。コーヒー飲料の生産量において、パーソナルサイズのペットコーヒー製品は2017年に急増し、2018年には缶コーヒーを追い抜いてその後も右肩上がりで推移する。販売規模も2020年は2017年比260%の約440億円となった。
UCC上島珈琲の杉山繁和副社長は、3月17日の製品発表会で次のように語った。「これまでのペットコーヒーは、仕事中などの止渇やリフレッシュが目的で、ちびちびだらだら飲む、いわゆる“ちびだら飲み”されていた。オフィスなどで働く若手の従業員を中心に、オフィスシーン、またはデスクワーク、外出時などのシーンを連想させて生活者に購入してもらうアプローチが成功し、デスクワークを中心にヒットした」。
「ところが、コロナ禍で環境が変わり、生活者は自宅での時間への投資を増加させている。有意義に時間を使うという意識も拡大している。そのため、価値観も変化し、量から質への動きも顕著になった。この傾向はコーヒーにも表れている。味、香りにこだわる生活者は、実際に家で自分でレギュラーをドリップする人が増えている。つまり、味覚の基準が、淹れたてのレギュラーコーヒーになってきている。これをペットコーヒーでも提供しようということで新製品を開発した」。
UCCは、新製品を“ペットコーヒー3.0”と位置付けた。同社によれば、“ペットコーヒー1.0”は、「ペットボトルコーヒーの誕生」、“ペットコーヒー2.0”は、「デスクワーク中心のシーン買い」、“ペットコーヒー3.0”は、「コロナによる生活様式の変化、共感と品質を兼ね備えたブランド」としている。
〈CMでは池田エライザさんが「香るどブリュー」を連発〉
コミュニケーションでは、「UCC COLD BREW BLACK」のコーヒー本来の香りと味わいがカジュアルに楽しめるという製品特徴をコミカルに伝えていく。新イメージキャラクターには女優の池田エライザさんを起用し、テレビCMを3月23日から全国で放映する。「香(かお)るどブリュー」という親しみやすいメッセージを連発し、若年層に向けてた新たなコミュニケーションを図っていく。
池田さんは、「(CM撮影中に)いろいろなパターンの“香るどブリュー”を言っていたので、リアルな感じが描かれているのではないかなと思います。(新製品は)飲んだ後の抜けていく香り高さが印象深いです」とした。
UCC上島珈琲・杉山繁和副社長と、池田エライザさん