大塚食品「ボンカレー」が発売50周年、発売当時の味と50年間の進化を新商品で体現
新商品は懐かしさの中にも50年の進化を凝縮している。中味は、”お母さんの手作りの味わい”を目指して開発されたという元祖ボンカレーであり、現在は沖縄県限定の商品となっている「ボンカレー」と同じ味わい。あめ色たまねぎのコクと、炒めた小麦粉の香ばしさが特徴で、パッケージには発売時と同じ松山容子さんのイラストを採用。一方、進化した点は、通常(沖縄限定ボンカレー)の2倍超の量の肉を使用するとともに具材の野菜は全て国産にしたこと。さらに、フタを開けて箱ごと電子レンジで1分40秒(出力500wの場合)温めれば出来上がる簡単調理となっている。
3月5日発売「ボンカレー50」
〈変わらないのは“お母さんの手作りカレー”のコンセプト―大塚食品・戸部貞信社長〉
大塚食品の戸部貞信社長は、「ボンカレーは、“一人でお湯で温めるだけで失敗しないカレー”“お母さんの手作りカレー”のコンセプトで出発し、当時の人気テレビ番組“琴姫七変化”のヒロイン松山容子さんを日本の新しいお母さんの代表としてCMに出演していただいた。また、ホーローの看板を貼って回るという、当時としては画期的なマーケティング手法を展開した。発売当時から中味も容器も進化しているが、変わらないのは“お母さんの手作りカレー”のコンセプトだ。これからの50年は、100年ブランドを目指すセカンドステージと位置付け、ボンカレーを世界に広めることに取り組んでいく。中国では15年前からレトルトカレーを生産・販売しているが、アジアをスタートに、今後はボンカレーの国際ブランド化に挑戦する」と語った。
〈世界初のレトルト食品は進化を続けていた〉
1968年発売当時の「ボンカレー」は、容器の袋が半透明パウチのため、冬場で3カ月、夏場2カ月の賞味期限で阪神地区の限定発売だったが、翌年にはアルミパウチの袋に変更し、賞味期限が2年となって全国発売を実現した。当時の価格は1個80円で、外食の素うどんが50~60円の時代だったため、「高すぎる」との声が多かったそうだが、20人ほどの営業マンがライトバンや自転車で小売店を回り、試食会を開催して店舗での採用を広げていったという。宣伝用に製作されたホーロー看板は、営業に成功した店舗に取り付けており、その数は累計約9万5000枚にのぼるという。
1978年には、日本人の嗜好の変化を考慮し、香辛料やフルーツを贅沢に使った「ボンカレーゴールド」を発売し、現在の定番商品となっている。2009年には、大きめにカットした国産野菜や自家製ルウを使用したワンランク上の「ボンカレーネオ」を発売。そして、2013年には「ボンカレーゴールド」が、従来の湯せん調理方式からフタを開けて箱ごと電子レンジに入れるだけで完成する調理法へ生まれ変わっている。同年以降は定番ラインアップ(甘口・中辛・辛口・大辛)に加え、夏季・冬季限定のカレーを発売。2016年には具材に国産野菜を使用し、安全・安心への取り組みを強化した。
宣伝用に製作されたホーロー看板
〈50周年の盛り上げに向け異業種コラボ続々〉
ボンカレーは発売50周年を盛り上げるため、話題化に向けて異業種コラボを次々に展開し、春休みには鉄道会社と、5月には製パン会社と、7月には日本のスーパーヒーローと、秋にはお弁当会社とのコラボを予定しているという。また、2018年5月には、「箱ごとレンジ」の調理法の浸透に向け、業界初の電子レンジで色が変わるシールを採用した消費者キャンペーンも展開するほか、50周年記念切手も発行する予定としている。
〈スーパーカップとのタイアップの「カレーうどん」も〉
また、大塚食品は、今年発売30周年となる即席麺の「スーパーカップ」を展開するエースコックとタイアップし、即席麺の「スーパーカップ1.5倍 ボンカレーゴールド 中辛風 カレーうどん」と「同 辛口風 カレーラーメン」(ともに税抜200円)を1月22日から発売する。大塚食品は、スーパーカップのコアターゲットである20ー30代男性に、コラボ商品を通してボンカレーの味を知ってもらい、ブランドに親しんでもらうねらいだ。
中味は、玉ねぎの甘み、旨みで「ボンカレーゴールド」を思わせる味わいに仕上げたカレーと、ほのかにトンコツが香るラーメンスープ、だしが利いたうどんスープをそれぞれ合わせ、しっかりとした食感のめんが絡む設計にした。エースコックの村岡寛社長は、「50周年を迎えた世界初のレトルト食品のボンカレーと、30周年を迎えた即席麺で初の大盛りカップを採用したスーパーカップのタイアップであり、両社の思いを詰め込んだ商品だ」と話した。
「スーパーカップ1.5倍 ボンカレーゴールド 中辛風 カレーうどん」と「同 辛口風 カレーラーメン」