ナオミ、急成長で10億円企業に 背景に新卒1年目・女性社員の活躍
小型充填機のナンバーワン企業ナオミ(大阪府箕面市)の前期(2月期)の売上高は、前期比23%増の10億7000万円となり、初めて10億円を超えた。
2011年度の売上高は3億8000万円だったが、そこから6年連続で増収を達成し、右肩上がりで急成長を続けてきた。また、16年度にマーケティング部を新設した効果で、昨年の問い合わせ数は前年の2.1倍に急増。小型充填機に特化した商品戦略と、ウェブを中心としたマーケティングが功を奏した格好だ。
〈新卒女性社員の希望でマーケティング部設立、サイトリニューアルが奏功〉
マーケティング部の設立は、新卒入社1年目の女性社員の強い希望により実現した。同社員がターゲットに合わせて自社サイトをわかりやすく、新しい雰囲気に大幅なリニューアルを実施。パソコンから見やすい充填機の使用動画を充実させ、充填機の使い方や選び方を開設したサイト「充填機とことん研究所」もリリースした。これらのアクセス結果から、潜在顧客が情報収集する時期やニーズを把握し、その顧客に合わせた方法で情報を届けることにより問い合わせが増加。訪問後の成約率も飛躍的に向上したという。
わかりやすく、新しい雰囲気に大幅リニューアルしたWEBサイト
駒井亨衣社長は、「ホームページと動画が分かりやすくなった。ウェブの力が大きい」と好調要因を語る。製品面では、1台で液体、粘体、粉体の充填が可能な「パズル充填機」が好調で、大型機の受注もかなり増えたとしている。
駒井社長は、「売上高10億円は一つの目標だったが、予想以上の上振れだった。マーケティング部が頑張ってくれた。サービス面でも営業が頑張り、それぞれがそれぞれの場所で全力を尽くしてくれた」と振り返る。
今期については、「売上高は10億円を割ってもいい。それよりも内部の体制を整え、もっとコミュニケーションを図り、チームワークを強くしていきたい」と強調。また、数年前から計画してきた基幹システムも導入し、夏までには名古屋に進出し、営業拠点を開設する予定だ。
社員数はすでに40人を超えているが、50人以上は増やさない考えだという。「人が増えると意思の疎通ができない。話す時間が必要になり、私がつくりたい会社ではなくなる。外部と連携する方法もあり、それは死守したい」と説明する。
また、2021年を目安に、現在の4倍の規模で構想している新社屋を完成させる予定で、「コミュニケーションを図るため、ワンフロアにしたい」と述べる。
〈食品産業新聞 2018年4月16日付より、一部加筆修正〉
【関連記事】
・サッポロビール、新卒採用のエントリーシート選考でAIを導入
・中高年向け、「第四新卒」の商標出願 応募2000人以上、70代からも/森下仁丹
・60歳以上の経験者を募集、ネスレ日本が「シニアスペシャリスト採用」を開始
・丸美屋食品、18期連続で増収を達成 総売上高 初の500億円大台狙う