第48回食品産業技術功労賞、受賞商品及びテーマ決定 6部門33件、独自技術を駆使
食品産業新聞社が主催する第48回食品産業技術功労賞の受賞商品及びテーマが10月7日開催の最終審査(村上秀德審査委員長)で決定した。今回は6部門の33件が受賞、部門別内訳は商品・技術部門15件、資材・機器・システム部門6件、マーケティング部門8件、国際部門1件、環境・CSR部門1件、地方発部門2件。商品・技術部門では独自技術を背景にしたヒット商品が続々と受賞した。また、健康に配慮した商品や取組み、外食の人手不足対応などの受賞も目立った。
部門 | 会社名 | 商品名、テーマ |
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商品・技術 | ㈱ADEKA | 業務用マーガリン「ソシエル」 |
アサヒビール㈱ | 「アサヒ贅沢搾り」 | |
オハヨー乳業㈱ | アイスクリーム「BRULEE(ブリュレ)」 | |
キリンビール㈱ | 「本麒麟」 | |
サントリー食品 インターナショナル㈱ |
「クラフトボス」 | |
㈱大冷 | 「楽らく柔らかシリーズ」 | |
日清フーズ㈱ | 「日清 ラク揚げ パン粉」シリーズ | |
日本製粉㈱、農研機構 | 「セトデュール」の開発と純国産パスタの商品化 | |
㈱ニチレイフーズ | 「特から」 | |
日本ハム㈱ | 「ヘルシーキッチンZERO」シリーズ | |
星野物産㈱ | マルボシ中華そば | |
マルサンアイ㈱ | 「鮮度みそ」シリーズ | |
マルコメ㈱ | 「ダイズラボ」大豆のお肉と惣菜の素 | |
㈱明治 | 「明治スプレッタブル」 | |
吉原食糧㈱ | スウィートポリフェ | |
資材・機器 ・システム |
㈱ケツト科学研究所 | 穀粒判定器「RN-700」 |
シーピー化成㈱ | 「楽ポン」シリーズ | |
スキューズ㈱ | ソフト制御による工場の生産自動化事業 | |
㈱ソディック | 無菌包装米飯製造システム | |
㈱なんつね | 3D定量スライサー「リブラ」シリーズ | |
日清医療食品㈱ | ヘルスケアフードファクトリー亀岡 | |
マーケティング | エスビー食品㈱ | SPICE&HERBシーズニング中心に市場確立 |
キユーピー㈱ | ドレッシング60周年でのプロモーション活動 | |
ケンコーマヨネーズ㈱ | FDFの市場シェア40%超 | |
国分グループ本社㈱ | 日本ワインの販路を全国へ広げた「JWINE」 | |
㈱J-オイルミルズ | 家庭用フレーバーオイルの展開 | |
㈱神明 | 「SABAR+」 | |
三菱食品㈱ | 健康ブランド「からだシフト」シリーズ | |
㈱ロッテ | 「シャルロッテ」の大規模リブランディング | |
国際 | 伊藤ハム㈱ | 国産牛肉輸出の取組み |
環境・CSR | 不二製油グループ本社㈱ | 植物性素材を活用しソリューションを提供 |
地方発 | 銀河フーズ㈱ | ハム・ソーセージでの「かるしお認定」商品展開 |
ビジョンバイオ㈱ | 異物鑑定団 |
今回、受賞した商品をみると、独自技術を駆使した新商品がヒットし、受賞につながったケースが目立った。その切り口は例年通り、おいしさ、健康などが多いが、外食・給食用の人手不足に対応した簡便・汎用商品も多い。
商品・技術部門では、おいしさを追求した「本麒麟」、高果汁系RTDの「アサヒ贅沢搾り」、PETコーヒーという新分野を開発した「クラフトボス」と今年を代表するヒット商品が受賞した。新技術がヒットにつながったのは、アイスを焼いた「ブリュレ」、『じゅわ旨っ製法』の「特から」。
健康を切り口にしたのは糖質ゼロのハム・ソーセージ「ヘルシーキッチンZERO」、バターなど4つの天然素材で作った新機軸スプレッド「明治スプレッタブル」、大豆ミートを活用した「ダイズラボ」、砂糖使用量を抑えられる小麦胚芽粉「スウィートポリフェ」。
簡便性をアピールしたのは、トンカツがこれ一つでできる「ラク揚げパン粉」、鮮度容器に液味噌をいれた「鮮度みそ」。外食・給食の人手不足に対応した、医療機関向けの自然解凍の魚調理品「楽らく柔らかシリーズ」。「ソシエル」は着色料、香料不使用の白色マーガリン、「マルボシ中華そば」はつゆがらみの良い『もみ切打ち製法』の乾麺で業務用でも好評。「セトデュール」は国産デュアル小麦の品種で新ジャンル・純国産パスタを切り開いた。
資材・機器・システム部門はプラントや販売、検査現場用などバラエティー豊富。無菌包装米飯製造システムは容器ごと炊飯する。ソフト制御による生産自動化事業は弁当の蓋掛けと箱詰め工程が評価された。穀粒判定器は画像分析技術で米粒の品質を判定する装置で大幅なコストダウンを可能にした。「リブラ」は3D測定技術で豚肉・牛肉の定量スライスを可能にした。「楽ポン」はワンタッチで開け閉めできる惣菜用容器。フードファクトリー亀岡は医療・福祉食を日産5万食生産している。
マーケティング部門では、キユーピーがドレッシング60周年のプロモーション活動で成果を上げた。「シャルロッテ」はリブランディング活動で新発売チョコレートトップに。「JWINE」は国産ワイン、「からだシフト」は減塩食品で大手卸がメーカーをまとめてブランド化した。「SPICE&HERB」は特定料理用のシーズニングで売上を伸ばした。J―オイルミルズは家庭用食用油のフレーバー展開で新ジャンルを育成。FDFは日本初のロングライフサラダ。SABAR+は米消費拡大を目指し、鯖に特化した外食チェーンを構築した。
国際部門の伊藤ハムは国産牛肉輸出が好調。環境・CSRの不二製油は大豆ミートなど植物性素材で健康寿命延伸に努力している。
地方発部門はかるしお認定商品で東北で活躍している銀河フーズと福岡発の異物判定キット「異物鑑定団」が受賞した。
〈第48回食品産業技術功労賞 選考委員(順不同)〉
▽一般財団法人食品産業センター理事長 村上秀德氏
▽国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門長 鍋谷浩志氏
▽国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所理事 健康・栄養研究所所長 阿部圭一氏
▽独立行政法人酒類総合研究所理事長 後藤奈美氏
▽日本チェーンストア協会専務理事 井上淳氏
▽日本貿易振興機構(JETRO)農林水産・食品部長 髙橋和宏氏
▽弊紙代表取締役社長 馬上直樹
〈食品産業新聞 2018年10月15日付より〉
※各受賞商品及びテーマの内容詳細は、後日、当サイトにて順次掲載予定です。