日本給食サービス協会・西剛平会長「価格転嫁が理解される環境整いつつある」
西剛平会長(レパスト社長)は昨年を振り返り「最低賃金の引き上げと深刻な人手不足で経費が増える一方、野菜など生鮮類の食材価格の上昇などもあり、未だに逆風が続いているが、日々の努力が大切であることを改めて教えられた1年だった。これは私感だが、昨年から少しずつ環境の変化を感じる。食材価格・人件費高騰の部分をお客様の方でみていただく、理解が得やすい環境が整いつつある。しかし、これにはきちんと仕事をして、お客様としっかりした関係性を構築できていることが前提だ。会社で知恵を絞り、事業所の一人ひとりが汗を流し、給食会社のみならず、賛助会員の方々の力も借りながら、より良い給食システムをお客様に提案することで、お客様への価格交渉が可能になる。給食会社のみならず、給食会社を取り巻く多くの皆様に支えて頂きながら、平成30年を乗り越えていきたい」と抱負を語った。
神奈川県大磯町の弁当方式による学校給食の、異物混入事件と「まずい給食」報道に触れて「あれだけ大きな話題になるということは、我々給食業界の仕事が社会の中で大きな期待を持たれているということ、そして社会的に大きな役割を持っていることの裏返しでもある。業界として深刻な問題であったと受け止めており、引き続き細心の注意をお願いしたい」と求めた。
西会長は今年実施する協会の事業として▽会員の意見を集約するためのアンケートの実施▽産学連携の事業として新しい健康な食事(名称:スマートミール)認証制度の拡大▽代行保証制度の充実などのテーマを掲げた。来賓として、農水省の丸山雅章大臣官房審議官と文科省初等中等教育局の八田和嗣健康教育・食育課企画官が挨拶した。会場には日東ベストやイースタンフーズ、名給、ショクカイなど協賛会社30社がPRブースを設けた。
〈冷食日報 2018年1月24日付より〉