冷食協、都独自の原料原産地表示規制に廃止求める
東京都は中国・天洋食品事件を契機として、08 年8月に都条例で消費者に販売される調理冷食の原料原産地表示を義務付けている。原則として重量の上位3位まで、かつ割合が5%以上の原材料について、容器包装(国別重量順表示)か産地が頻繁に変わる場合などにはインターネットなどでの原料原産地情報の提供をすることとしている。
一方で新たに施行された、国の表示基準では表示義務は重量1位に限り、「又は」(可能性表示)や「輸入」(大括り表示)が認められている。この点に関して条例告示改正では重量1位の原産国表示が原則通り、国別重量順のときは条例の適用を除外するとして、「又は」や大括り表示がされているときは、照会先と照会できる旨の記載を義務付けて、条例の基準を下回らないように、法との整合性をとることにしている(下の「参考資料」は東京都の公表資料)。
冷食協では法律と条例による複雑な規制をを設けることは、現に対応している事業者の問題というよりも、消費者を混乱させ、ひいては信頼を損なうものと主張している。また調理冷食だけを規制対象とする根拠について、都は「輸入冷凍餃子事件を契機に義務付けた経緯を踏まえ、都条例の内容は変更しない」とするのみで、明確になっているとは言えない点も指摘する。
都の対応はいまだ明らかではないが、方針転換の可能性は低いと見られる。冷食協では今年4月の冷凍食品認定基準改正に伴って、会員・認定工場向けに品質管理手引(青本)を今月配布したが、今後、都条例告示の改正が決まれば改訂版を発行する考えだ。
〈冷食日報2017年10月26日付より〉